大事なユーザーの仰せとあらば……

軽ユーザーは必然的に女性や初心者が多く、新型デイズは「運転に苦手意識のある女性に扱いやすいクルマ」を最大テーマに開発された。これまでの日産にも女性ドライバーや初心者に対する知見はあったが、今回は軽特有のニーズが浮き彫りになり「目からウロコの連続」だったそうだ。その結果として、新型デイズではシート形状やペダルの位置や角度、ダッシュボードの奥行きとボンネット長の比率(が、女性の直感的な車両感覚に直結しているとか)などがあらためて見直された。

円形ステアリングもその一環である。「女性や初心者にDカット型は総じて不評でした」と担当技術者。開発チームはその最大理由を「理論的な操作性というより、これまで乗っていたクルマや自分が運転を覚えた教習車とちがうという違和感」と分析した。さらには「ステアリングカバーがつけられないという指摘もありました」という理由も加わって、新型デイズはステアリングの新設計に踏み切った。

なんと! ステアリングカバー!! ステアリングカバーといえばカー用品店やホームセンターで売られている手軽なドレスアップ商品だが、見るからに滑りやすいテカテカ表面やフェイクファー素材、そして分厚いクッションタイプなど、明らかに「これではクルマの反応が秒単位で遅れて危険なのでは?」といわざるをえないシロモノも存在する。

新車に装着されるステアリングホイールはその形状やサイズ、強度や剛性、重量バランス、そしてグリップの握り心地や摩擦係数を研究し尽くして設計されている。そしてクルマのシャシーはその純正ステアリングホイールで操ることを前提に、千分の何秒レベルの反応、あるいはそれを超えた“あうんの呼吸”のリニア感を追求して開発されている。そんな努力と技術の結晶を台無しにしかねないステアリングカバーなどは自動車メーカーが真っ先に否定すべき存在のはずだ。

シートの形状からペダルの配置に至るまで、新型「デイズ」は主要なユーザーである女性の視点を重視して開発されている。
シートの形状からペダルの配置に至るまで、新型「デイズ」は主要なユーザーである女性の視点を重視して開発されている。拡大
写真のステアリングホイールは、先代「デイズ」のもの。三菱が開発したこのモデルには、円形のステアリングホイールが採用されていた。
写真のステアリングホイールは、先代「デイズ」のもの。三菱が開発したこのモデルには、円形のステアリングホイールが採用されていた。拡大
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