これからますます流行しそう

永福:うーん。聞いてるだけだと、やっぱりジュークも同じじゃないかと思うんですが……。

ほった:どこまでもジュークにこだわりますね(笑)。

明照寺:いや、手法そのものは実際ジュークが最初ですし、ジュークはホントにすばらしいんですけど(笑)。でも日産自体、ジュークに続くモデルを出さなかったじゃないですか。

永福:それはそうですね。

明照寺:それに対して、シトロエンでは他のクルマにもこれを展開して、他社もすぐに追従し始めた。その差ですよ。

永福:その点は確かに、日産はもったいないことしてますね。もっとも、私も今この場ではジュークの肩を持ってますけど、個人的には好きじゃないんです。生理的にキツい(笑)。その点、この新しいカタチが世界の自動車デザイン界で高く評価されているというのは、明照寺さん的にオッケーなんでしょうか?

明照寺:まったくオッケーです(笑)。ジュークはこれまでのデザインとは違うことをしていました。特に顔まわりについては。ヘッドランプの話に戻ると、ジュークだと上側のランプはターンシグナルランプとポジションランプですよね。だから、上側は常に光っているわけじゃない。でもシトロエンはデイライトなんで、夜でも昼でも常時光ってるわけです。そこの考え方も、両車でちょっと違う。

ほった:細かいですねえ。

明照寺:それに、C3はデイライトの側にターンシグナルも付いてますよね。それでもあんなふうに薄く設計しているわけで、ここら辺にはそれなりにコストをかけてるんじゃないかと思います。ただ、下側のメインのヘッドランプはいたってフツーなハロゲンのパラボラランプでしょ。だから、こちらのコストは安いはずです。

ほった:そこで帳尻を合わせてるのか。

明照寺:たぶん今後、このコンセプトは他のブランドでも広がっていくんじゃないかな。そこがこのクルマというか、今のシトロエンデザインの最大のトピックじゃないでしょうか。

永福:こっちのほうがコンセプトとして広がりがあったってことですね。

ほった:そういや、三菱の「デリカD:5」もこういうデザインでしたね。まぁデリカのはハイ/ロービームも全部LEDっていう“お金持ち仕様”でしたけど。

世界的に高い評価を得た「日産ジューク」のデザインだが、日産内での扱いはあくまでも“キャラクターのとがった特殊なクルマ”のそれであり、他のモデルに展開されることはなかった。
世界的に高い評価を得た「日産ジューク」のデザインだが、日産内での扱いはあくまでも“キャラクターのとがった特殊なクルマ”のそれであり、他のモデルに展開されることはなかった。拡大
「C4ピカソ」に採用して以降、シトロエンは分割式のヘッドランプを用いたフロントマスクのデザインを幅広い車種に展開していった。
「C4ピカソ」に採用して以降、シトロエンは分割式のヘッドランプを用いたフロントマスクのデザインを幅広い車種に展開していった。拡大
「C3」では上側のランプはデイライトとなっているので、昼でも夜でも、常時点灯していることになる。
明照寺:「細かいところですが、これも『日産ジューク』とは違うポイントなんですよ」
「C3」では上側のランプはデイライトとなっているので、昼でも夜でも、常時点灯していることになる。
	明照寺:「細かいところですが、これも『日産ジューク』とは違うポイントなんですよ」拡大
「C3」のヘッドランプは、上側は狭いスペースに3連のLEDデイライトとウインカーを押し込むという手の込んだつくりとなっているのに対し、下側はロービーム、ハイビームともにリフレクター式のハロゲンランプとなっている。(写真=向後一宏)
「C3」のヘッドランプは、上側は狭いスペースに3連のLEDデイライトとウインカーを押し込むという手の込んだつくりとなっているのに対し、下側はロービーム、ハイビームともにリフレクター式のハロゲンランプとなっている。(写真=向後一宏)拡大
「三菱デリカD:5」のヘッドランプ。
「三菱デリカD:5」のヘッドランプ。拡大
明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

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