「面倒くささ」も決め手になる

こうした条件を前におトクかどうかの話をするなら、まず好感をもたれるのは「自宅に駐車場があって、ときどきクルマを使いたいのに、車両を所有していない人」だろう。たとえ値づけされていないスペースでも、相場に見合ったポイント付与用の価格を設定してもらえる。

ただ、オーナーとなる人の大半は、そうではない、「駐車場も所有車もないが、クルマは利用したいと考えている人」のはず。0円マイカーでは、駐車場を提供してレンタル業務に従事すれば、限度はあれどクルマが使える。一方、既存の個人間カーシェアリングは、駐車場契約は必要ないが、車種の“借り賃”はその都度支払う。お金の話に限るなら、駐車場代を出すか、車両のレンタル代を出すかの違いということになる。

いったいどちらがトクなのか?

結論を言ってしまえば、使い方次第。まったくもって「なんともいえない」。どちらが有利かは、どんな場所で、どれだけ使用するかで変わってくるし、エニカ側もその答えは持っていない。ただ先方の算段するところでは、クルマを頻繁に使う人は0円マイカーがふさわしく、あまり乗らない人は個人間カーシェアのほうが有利になる傾向があるという。それとて、アバウトなイメージでしかないけれど。

金銭的な損得勘定から興味を持った筆者としては、「決め手になるのは案外、そうしたコスト面ではないかもしれない」という印象も受けた。

0円マイカーは、オーナーとユーザーが直接会って貸し借りを行うエニカの既存のカーシェアと違い、車両を勝手に出し戻しするシステムだ。自身の個人間カーシェアの利用経験を振り返ってみるに、対人ストレスがあろうがなかろうが、初対面となれば待ち合わせ時間や身だしなみには気を遣う。その点、気軽さを第一に考える人にとって、会わずに貸せる0円マイカーは魅力的に違いない。

ベースが自分の駐車場であるのも大きい。エニカに限らず、カーシェアリングの発着場所(=受け渡し場所)は都合のいいところとは限らない。その点今回のサービスは、それを近所に定められる。見方によっては、「0円マイカーと個人間カーシェアリングのどちらを選ぶかは、面倒くささの許容度次第」と言えるかもしれない。

採算が合わなければ早期のクローズもありうるという、運営側にとってもチャレンジングな0円マイカー。初回となる第1期の契約枠は40人で、申し込みに必要な説明会は、あと5回(2019年5月26日に2回、5月29日、6月2日、6月5日に1回ずつ)開催される。

われこそはと思う方、一度アプローチしてみては?

(文と写真と編集=関 顕也)

この表は、エリアごとの車種の配置予定を示している。単純に「高級住宅地には高級車種をあてがう」のがセオリーかと思えばそうではなく、あくまで需要と供給を元にマッチングが検討されている。例えば、A車の人気が高かろうと、個人間カーシェアリングで同車が既に豊富な地域であれば、同じモデルの「0円マイカー」の配置可能性は低くなる。
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こちらもエリアごとの配置予測図。ちまたで人気のあの地域では、どの車種が求められている?
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