引退から復帰、激闘の末に勝ち取った3度目の栄冠
ブラバムでは再びマシンに恵まれず、1979年を最後に引退を表明。この時期に自ら立ち上げた「ラウダ航空」の経営に専念することになるのだが、程なくして、実業家として活動を始めた元チャンピオンの肩をたたく男があらわれた。1980年代に入り、マルボロの支援を受けマクラーレンの再建に取り組んでいたロン・デニスだ。
デニスからのラブコール(とマルボロのマネー)に背中を押されたラウダは、1982年に再びF1のコックピットに収まることになる。とはいえ、ラジアルタイヤやターボエンジンの台頭など、70年代と80年代ではF1を取り巻く様相は激変を遂げており、30代半ばに差し掛かった元王者とて、やすやすと活躍できる状況ではなかった。2006年で一度引退したシューマッハーは、ラウダと同じように2010年にGP復帰を果たしたものの、結局1勝も飾れなかった。引退を撤回してから再び勝つということは、チャンピオン経験者にしても決して簡単ではないのだ。
ラウダは、その簡単ではない仕事を見事にやってのけた。チームメイトに6歳年下のアラン・プロストを迎えた1984年シーズンは、まだ血気盛んだったプロストを相手に、歴史に残る名勝負を繰り広げた。予選では圧倒的にプロストが速く、16戦して15回ラウダを負かすほどだったが、決勝になると巧みな戦いでラウダも勝利を重ね、プロストの7勝に対しラウダ5勝と健闘した。
チャンピオン争いで両者一歩も譲らず迎えた最終戦ポルトガルGPでは、プロストが予選2位から独走して優勝。ラウダはといえば、11番グリッドから何と2位まで挽回してゴールし、自身3度目の栄冠を手にしてしまった。2人のポイント差はたったの0.5点。F1史上最小得点差記録として今も残る、まさに世紀の接戦だった。
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