ドライバー氏に話を聞く

筆者が乗ったのは、いわゆる“大日本帝国”系タクシー会社の系列企業の車両であった。ハイヤーに乗ったときのように、ドライバーは最初に自身の名前を名乗り、至って丁寧な物腰である。

さて、ジャパンタクシーである。まずはシートベルトのキャッチ、つまり受け側に照明がともっているのに感激する。これだけでもベルト装着率の向上に貢献するだろう。

インテリアのデザインはシンプルで好感がもてる。助手席側ヘッドレストの後部には、タブレット端末が設置されていた。

トヨタではなく、タクシー会社の関連企業が設置しているものだ。内蔵カメラで乗客の顔を撮影して性別に合致した広告を流す。この装備に関しては、その機能の乗客への通知が不十分だとして、政府の委員会によって2018年11月に行政指導が行われたのが記憶に新しい。

実際に、筆者が乗った車両の画面には、端末の電源を自由にオフにできる旨のメッセージが表示された。筆者もそれにしたがってオフにした。

ドライバー氏は、以前はいわゆる“流し”もやっていたが、常に歩道のお客さんに注意しながら走る必要があるうえ、見落とすと乗車拒否のクレーム対象になる恐れがあることに悩んでいたという。

そこで、たとえお客さんを乗せるまで同業者の列に1時間半以上並ぶことになっても、空港やNHKなどでの“待ち”に特化しているそうだ。ただしそのNHKの場合は、日付の下1桁とナンバープレートの下1桁が一致している車両のみ客待ちが許され、一定の台数以上は並ぶことが許されていないとのことだ。

ドライバー氏は、ジャパンタクシーそのものについてもいろいろと感想を述べてくれた。「シートは以前乗務していた『セドリック』よりも固めです」。ボディーのデザインに関していえば、「四隅がつかみやすいのは、とても助かりますね」と評価する。

いっぽうで1750mmと車高があるうえにホイールベースが短いので、横風を受けやすいという。「レインボーブリッジなどを走るときや、大型トラックが並走しているときは気を使いますね」と証言する。

芝大門付近で。2018年春。
芝大門付近で。2018年春。拡大
筆者が乗った「ジャパンタクシー」のドライバーが「以前乗務していた」という「セドリック」の営業車(の同型車)。
筆者が乗った「ジャパンタクシー」のドライバーが「以前乗務していた」という「セドリック」の営業車(の同型車)。拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住21年と脈絡なき人生を歩んできたものの、おかげで妙に顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして執筆活動に携わると共に、NHKラジオフランス語テキストでも活躍中。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』レギュラーリポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも奮闘している。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(ともに光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。

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