性能差のあるマシンが混走

今日、SUPER GTに出走しているマシンは、GT500とGT300の2クラスに分けられている。このうち、トップカテゴリーのGT500の車両は完全にレース専用車と言っていい。大幅な改造が認められていて、各メーカーがモンスターマシンを仕立てている。

GT300はGT500に比べると出力が抑えられており、改造範囲の狭いFIA-GT3の車両や、GT500と同じく大幅な改造が可能なJAF-GT規定の車両、そしてレースの運営組織が販売するマザーシャシーをベースとした競技車両で競われる。3大メーカーが激突するGT500とは違って車両価格が低く、比較的参加しやすいカテゴリーだ。GT-RやNSXが人気車種で、ほかにも「トヨタ・プリウス」から「マクラーレン720S」まで、バラエティーに富んだマシンが並ぶ。

SUPER GTがスタートしたのは2005年。歴史をたどると、前身の全日本GT選手権(JGTC)は1993年に始まっている。前年に終了した全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権(JSPC)や、同年をもって終了するグループA規定での全日本ツーリングカー選手権に代わるイベントとして期待が寄せられていた。ただ、スタートが順調だったとは言いがたい。1993年シーズンは参加車両が集まらず、わずか3戦しかレースが成立しなかった。JGTCのために開発されたマシンは2台のみで、他のクラスの車両と混走することでようやくレースの体を保っていた。公式には、JGTCの開始は翌年の1994年とされている。

多くの車両の参加を促すべく、規定の見直しが行われた。ヨーロッパのGTレースにならい、GT1、GT2という2つのクラスが設定される。1996年からはGT500とGT300に名称が変更され、今に至っている。この数字は、約500psと約300psという最高出力が想定されていることを意味するものだ。

決勝レースは2クラス同時に行われる。性能差は明らかで、GT500のマシンは圧倒的なスピードでGT300のマシンを追い抜いていく。GT500のドライバーには、遅いクルマを利用してバトルを有利に展開するテクニックも求められる。抜かれる側も細心の注意が必要だ。結果として、サーキットのいたるところでエキサイティングなシーンが見られるようになった。

市販車を模したデザインが取り入れられているものの、GT500クラスに投入される車両は完全なるレース専用車だ。
市販車を模したデザインが取り入れられているものの、GT500クラスに投入される車両は完全なるレース専用車だ。拡大
バラエティー豊かな車両で競われるGT300クラスには、FIA-GT3の車両で参戦するチームも多い。写真はLEONレーシングの「メルセデスAMG GT3」。(写真提供:GTA)
バラエティー豊かな車両で競われるGT300クラスには、FIA-GT3の車両で参戦するチームも多い。写真はLEONレーシングの「メルセデスAMG GT3」。(写真提供:GTA)拡大
1992年の全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権(JSPC)最終戦の様子。JSPCは同年をもって終了。1993年にはグループA規定による全日本ツーリングカー選手権も終わることとなっており、モータースポーツ界では興行として代わりになるイベント、ファンやエントラントの受け皿となるイベントが求められていた。
1992年の全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権(JSPC)最終戦の様子。JSPCは同年をもって終了。1993年にはグループA規定による全日本ツーリングカー選手権も終わることとなっており、モータースポーツ界では興行として代わりになるイベント、ファンやエントラントの受け皿となるイベントが求められていた。拡大
全日本GT選手権は1993年にスタートするが、参戦した車両は日産の「スカイラインGT-R」と「シルビア」の2台のみで、他のレースとの混走で行われた。同選手権がシリーズ戦として本格化するのは、1994年になってからである。
全日本GT選手権は1993年にスタートするが、参戦した車両は日産の「スカイラインGT-R」と「シルビア」の2台のみで、他のレースとの混走で行われた。同選手権がシリーズ戦として本格化するのは、1994年になってからである。拡大
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