ホンダのアグレッシブな開発プラン

懸案のフロントウイングをモディファイしてきた「レッドブルRB15」に搭載されるのは、「スペック3」と呼ばれるパワーユニット。ホンダは、4月末の第4戦アゼルバイジャンGPで「スペック2」をデビューさせると、早くも2カ月後の第8戦フランスGPではスペック3にバージョンアップ。内燃機関たるICEなどは年間3基までという現行レギュレーションにあって、ペナルティー覚悟のアグレッシブな開発プランを採ってきていた。そのスペック3の眼目はターボの改善。航空機「ホンダジェット」の知見を生かしたというターボチャージャーが、標高が高く、高温に見舞われたオーストリアで大活躍することになった。

2番グリッドからスタートで失敗し7位。そこから徐々に、着実にポジションを上げてきたフェルスタッペンに、レース終盤「エンジン11、ポジション5」という指示が飛んだ。常勝軍団のメルセデスがオーバーヒートに苦しむ中、ホンダのパワーユニットはひときわパワフルなモードでレッドブルを後押し。フェルスタッペンがシャルル・ルクレールを抜きトップに立つと、ついにレッドブル・ホンダとしての初優勝の瞬間が訪れた。

さらに続くイギリスGPでも、レッドブル・ホンダは予想以上の速さを見せた。超高速シルバーストーンの予選で、トップから0.183秒遅れの4位。昨年、ルノーのパワーユニットでは0.71秒差だったことを考えれば大いなる前進だ。レースではフェルスタッペンが3位に上がった直後、セバスチャン・ベッテルに追突される不運に見舞われてしまったが、レッドブル・ホンダのポテンシャルの高まりを十分に示していた。

そして、雨で大混乱のうちに終わったドイツGPでフェルスタッペンが今季2勝目をマークすると、次のハンガリーGPではフェルスタッペンが初ポールポジションを獲得、レースではハミルトンと互角に渡り合うもピット戦略でメルセデスに惜敗と、夏の連戦で快進撃を続けた。

第9戦オーストリアGP、スタートでの出遅れから大逆転優勝を遂げたレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真左)。レッドブル・ホンダとしては初優勝、ホンダとしては2006年ハンガリーGP以来となる13年ぶりの勝利となり、表彰台には優勝したチームを代表して、田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクター(同右)が登壇した。(Photo=Red Bull Racing)
第9戦オーストリアGP、スタートでの出遅れから大逆転優勝を遂げたレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真左)。レッドブル・ホンダとしては初優勝、ホンダとしては2006年ハンガリーGP以来となる13年ぶりの勝利となり、表彰台には優勝したチームを代表して、田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクター(同右)が登壇した。(Photo=Red Bull Racing)拡大
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