「最強伝説」第2章の予感

ホンダにしてみれば、2015年のF1復帰から続いた隘路(あいろ)がようやく開けてきた、2019年前半戦だった。

ホンダがこれまでにF1で記録した優勝は74回。このうち、オールホンダで臨んだ「第1期(1964-1968年)」で2勝、エンジンサプライヤーとして黄金期を築いた「第2期(1983-1992年)」で69勝、エンジン供給から途中フルワークスへと移行した「第3期(2000-2008年)」では1勝だけ。連勝に次ぐ連勝、タイトルを総なめにした「ホンダ最強伝説」は、実は30年も前の第2期のイメージでしかなく、2000年代に入ってからのホンダは、残念ながら最強チーム(エンジン)には程遠かった。

特に「第4期(2015年以降)」が苦難の連続だったことは記憶に新しいところ。他のパワーユニットメーカーより1年遅れてデビューしたターボハイブリッドを載せたマクラーレンは、よく壊れ、そして絶望的に遅かった。元王者フェルナンド・アロンソに「(下位カテゴリーの)GP2のエンジンだ!」となじられ、かつてともに16戦15勝を飾ったマクラーレンには三くだり半を突きつけられたホンダは、しかし撤退の道を選ばず、2018年にはトロロッソと手を組んで地固めに取り組んだ。

そして今年、トロロッソの兄貴分である元チャンピオンチームのレッドブルにもパワーユニットを供給。次世代チャンピオン候補ナンバーワンの呼び声高いフェルスタッペンのドライブで、しっかりと上昇の機運をつかんだ。

ハンガリーGPを終え、フェルスタッペンはランキング2位のバルテリ・ボッタスに7点差まで詰め寄り、レッドブルは2位フェラーリの44点後方まで迫った。今後の結果次第では、独走中のメルセデスを苦しめる展開も十分に考えられる。その先に、「最強伝説」の第2章があるかもしれないと思えば、9月のベルギーGPから始まる後半戦にも注目せずにはいられない。

第12戦ハンガリーGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真左)が、初めてのポールポジションからレースをリードし続けたが、ピット戦略の違いから王者メルセデスのルイス・ハミルトン(同右)にオーバーテイクを許してしまい惜しくも2位。第9戦オーストリアGP、第11戦ドイツGPと優勝したフェルスタッペンは、ハンガリーまでの4戦で誰よりも多い81点を獲得するなど、上り調子で前半戦を終えた。(Photo=Red Bull Racing)
 
第12戦ハンガリーGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真左)が、初めてのポールポジションからレースをリードし続けたが、ピット戦略の違いから王者メルセデスのルイス・ハミルトン(同右)にオーバーテイクを許してしまい惜しくも2位。第9戦オーストリアGP、第11戦ドイツGPと優勝したフェルスタッペンは、ハンガリーまでの4戦で誰よりも多い81点を獲得するなど、上り調子で前半戦を終えた。(Photo=Red Bull Racing)
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