トヨタを振り向かせた中国市場の変化

いま、自動車業界の取り組みはすべてCASEとMaaSに集約される。トヨタはEV市場で圧倒的な存在感を示すBYDと、そしてモビリティープラットフォームを有するDiDiと組んだことで、中国市場におけるCASEとMaaSの基盤を固めようとしているのではないだろうか。

では、なぜトヨタは中国市場に情熱を注ぐのか。

背景にあるのは世界における環境規制の変化だ。言うまでもなくトヨタにとってはハイブリッド車が環境対応車の筆頭で、実際にハイブリッド車のおかげで欧米の厳しい規制を乗り越えられてきた。しかし、世界的にはハイブリッド車への優遇策は徐々に消えゆく傾向にある。ハイブリッド車は同格のガソリン車と比べれば燃料消費量は少ないが、ガソリンを燃焼させることに変わりはない。PHVのように外部充電が可能なモデルやエンジンを発電機として使用するモデルに加えて、簡易なマイルドハイブリッドなども出てきたため、基準を厳密化していく必要があったようだ(真偽のほどはともかく、ハイブリッド市場がトヨタ一強になっていることへのやっかみだ、との声もある)。

中国で施行される新エネルギー車(NEV)規制でも、ハイブリッド車は対象外になっていたのだが、7月12日付のロイターの報道によれば、ガソリン車よりもハイブリッド車を優遇する措置を検討しているという。これが実現すれば、トヨタにとって中国という大きな市場でのビジネスは大きく変わる。

もう一つ見逃せないのが、中国政府による自動車生産の外資規制廃止の動きだ。従来は外資が中国の自動車メーカーに対して出資できる比率は制限されていたが、規制が緩和されれば50%を超える出資が可能になり、経営権を持つこともできる。規制緩和は段階的に進められ、2022年までに完全撤廃する計画だ。中国市場で勝負をしたい外資にとって、この政策は強烈な追い風になり得る。

一汽トヨタが中国で販売する「カローラ ハイブリッド」。
一汽トヨタが中国で販売する「カローラ ハイブリッド」。拡大
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