純エンジン車が消えようとしている

ところで、日本にいるとあまり伝わってこないが、実はドイツでもフランスでもイギリスでも、最近のトップニュースは「地球温暖化を食い止めるためのCO2排出量の抑制」という話題ばかりとなっている。エアコンが普及していない家庭も多いかの地を、今年は最高気温が40℃を超えるような熱波が繰り返し襲い、多くの人が一斉に“身につまされる思い”を抱くに至ったからだ。

今やその勢いは、CO2に対して25倍もの温室効果を持つという畜産業由来のメタンガス発生を抑制するために「肉食はなるべく控え」、一般的な移動手段の中ではCO2排出量が圧倒的に高い航空機による影響を減らすため「鉄路が選択可能ならば、できるだけそちらを使用しよう」という動きにまで広がろうとしている。当然、車両の電動化も加速方向一辺倒。すでに日本導入済みのものでも「アウディA6」や「Q8」がそうであるように、少なくともヨーロッパ発の一般的なモデルでは、この先「“非電動車両”が選択できなくなるのも時間の問題」と考えるべきだ。

となると、ベーシックな「カレラ」が導入されたばかりの新しい「ポルシェ911」なども、「最後の純エンジン911」となる可能性は高い。これが2019年半ばというタイミングでの、“時代の空気”というものなのである。

(文=河村康彦/写真=ポルシェ、マツダ、郡大二郎、花村英典、webCG/編集=堀田剛資)

新型「ポルシェ911カレラ」(左)と、「911カレラ カブリオレ」(右)。
新型「ポルシェ911カレラ」(左)と、「911カレラ カブリオレ」(右)。拡大
あなたにおすすめの記事
新着記事