運転中の操作=歩きスマホ

というわけで、ユーザーもメーカーも“Win-Win”の関係が築けそうなこうしたアイテムだが、最近困惑してしまうのは、「走行中に使用頻度の高いスイッチ類までもが、タッチスクリーンに置き換えられてしまう」という例が少なくないこと。

例えば、メーター照度の調整や空調の内外気切り換えなど、走行中に素早く操作したい機能は物理スイッチとして“別建て”されていないと、時として危険を感じる場面が発生する。その理由はもちろん、「タッチスクリーンではブラインド操作が行えず、必ずそこに視線を落とす必要がある」ためだ。

ヘッドライトの自動点灯機能は今や当たり前だが、これにも落とし穴がある。明るい時間帯に霧に遭遇した場合には自動点灯が行われず、マニュアル操作で点灯させる必要がある。そのため、こうしたシーンに即座に対応できる、物理スイッチが不可欠だ。

確かに、スイッチ類が廃されたダッシュボードまわりの見た目は、シンプルで美しいが、だからといって、何でもかんでもタッチスクリーンに入れられてしまうのは困りもの。

「スマホライクな直感的操作」とは、タッチスクリーンの導入時によく聞かれたうたい文句である。しかし、歩きながら使っていて電車のホームから転落する人が現れるような“スマホライクな操作系”が、クルマのスイッチに最適であろうはずがないのは明らかなのだ。

(文=河村康彦/写真=トヨタ自動車、アウディ、フォルクスワーゲン/編集=藤沢 勝)

運転中のタッチスクリーンの操作は、歩きスマホ以上に危険な行為といえるだろう。
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