ホンダN-WGN L Honda SENSING(FF/CVT)/N-WGNカスタム L・ターボ Honda SENSING(FF/CVT)
素晴らしき人、ホンダに乗る 2019.09.09 試乗記 ホンダの軽ハイトワゴン「N-WGN」がフルモデルチェンジ。「New Simple!」をキーワードに、より日々の生活に寄り添うクルマとして開発された2代目は、どのようなユーザー像を想起させるクルマとなっていたのか? その仕上がりを、仕様の異なる2モデルの試乗を通して確かめた。好調「N」シリーズが抱える問題点
ホンダにとって「N」シリーズがドル箱的存在になっていることは疑いない。2011年のスタート以来、わずか7年で累計販売台数が200万台を超えた。万々歳と言いたいところだが、悩みもある。シリーズの中で、「N-BOX」が突出した存在になっていることだ。2018年の販売台数は23.7万台で、登録車を含む新車販売台数で2年連続の第1位を獲得した。
「ダイハツ・タント」や「スズキ・スペーシア」と同じで、最大の売れ筋となったスーパーハイトワゴンのジャンルに属しているのだから当然ではある。しかし、ハイトワゴンのN-WGNが6.3万台というのはさすがに離れすぎだ。6年ぶりにフルモデルチェンジを受けた新型N-WGNの使命は、N-BOXの牙城を侵食することなく販売を伸ばすことである。
その意図は、エクステリアデザインを見れば一目瞭然だ。2017年に登場したN-BOXが先代の見た目を受け継いだのに対し、N-WGNは明確に方向性を変えている。N-BOXは特にカスタムモデルが立派さと力強さを強調していて、開発責任者の白戸清成氏は「デザインに関しては、北関東ではやはり『カスタム』に人気がありますね」と語っていた。しかし、少しずつユーザーの好みは変化しつつある。
2017年に出た「スズキ・ワゴンR」の「スティングレー」は“ストロング”をテーマにしていたが、少々苦戦しているようだ。今年フルモデルチェンジの4代目タントは先代モデルのイメージを引き継いでいるように見えるが、ゴテゴテ感はかなり減らしている。いわゆる“カスタム顔”ではあるものの、オラオラ系のコワモテではなくなった。三菱が「eKワゴン」から「eKクロス」に車名を変更してSUV風味を取り入れるなど、各メーカーが新しい道を模索している。
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