コルベットの走りがヌルいはずがない

では、そんなパトリオットたちにとってのインターセプター(迎撃機)が、週末のドラッグスリップや自動車雑誌の評論なんかで外来種に負けるようなことがあったらどうなるか? 沽券(こけん)にかかわるなんて甘々な話ではない。コルベットの敗北はアメリカの敗北なのだ。

排ガス規制による“冬の時代”が過ぎてこの方、このドメスティックなスポーツカーがパフォーマンス至上主義路線を突っ走り続けているのは、そういう背景があるからだ。どっかのRRのスポーツカーと同じで、背負ってるもんの重みが違うのである。

ここで、最新のC8に話を戻す。今回、同車の開発を主導したのは従来モデルのときと同じくタッジ・ジェクター氏だった。長年にわたりコルベットの世話を焼き続け、“現代版ゾーラ・アーカス・ダントフ”なんて言われるほどに、走るの大好き、速いクルマ大好きな御大が、それを理解していないはずがない。

ついでに言うと、彼がコルベットの開発に携わり始めたのは1993年。C5の開発が始まるあたりからだ。サーキットにおいてGMがワークス活動を解禁し、C5、C6がALMSやルマンなどで勝利を重ね、それに伴いグローバルでの売り上げを伸ばしていった“コルベット近代史”と、御大は歩みを共にしている。今日において世界に通用する高性能スポーツカーに求められる要因を、彼は熟知しているはずだ。その点においても、記者はモダンなスポーツカーとしてのC8のパフォーマンスについて、「氏がツボを外しているはずがない」と確信しているのである。

C8の開発を主導したエグゼクティブチーフエンジニアのタッジ・ジェクター氏。C5、C6、C7、そしてC8と、実に25年以上(!)にわたり「コルベット」の開発に携わり続けている人物である。
C8の開発を主導したエグゼクティブチーフエンジニアのタッジ・ジェクター氏。C5、C6、C7、そしてC8と、実に25年以上(!)にわたり「コルベット」の開発に携わり続けている人物である。拡大
ゾーラ・アーカス・ダントフとは、「コルベット」のハイパフォーマンス化を推し進めたGMの名エンジニア。レーサーとしても活躍しており、ルマンではちゃっかりポルシェを駆って(GMのエンジニアなのに……)クラス優勝したりしている。余談だが、「Z06」や「ZR1」といった今日のハイパフォーマンスモデル。頭文字のZは氏のファーストネームにあやかったものである。
ゾーラ・アーカス・ダントフとは、「コルベット」のハイパフォーマンス化を推し進めたGMの名エンジニア。レーサーとしても活躍しており、ルマンではちゃっかりポルシェを駆って(GMのエンジニアなのに……)クラス優勝したりしている。余談だが、「Z06」や「ZR1」といった今日のハイパフォーマンスモデル。頭文字のZは氏のファーストネームにあやかったものである。拡大
C5世代の「コルベット」のレーシングカー「C5-R」。同車は2001年、2002年、2004年と3度にわたりルマンでクラス優勝を果たしている。
C5世代の「コルベット」のレーシングカー「C5-R」。同車は2001年、2002年、2004年と3度にわたりルマンでクラス優勝を果たしている。拡大
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