日本のカローラだけが違う!?

実際、今回国内発売された新型カローラのセダンとワゴンもご覧のように、内外装の基本意匠は新しい世界統一デザインの路線上にある。その車体サイズも事前情報でも語られていたとおり、国内向けカローラセダン/ワゴンとしては史上初の3ナンバーとなり、2018年10月のパリサロンで初公開された欧州向けワゴンや同11月に広州モーターショーで公開された海外向けセダンと、写真では当たり前だが同じクルマに見える。……のだが、それは巧妙なデザイン処理による錯覚だ。日本のカローラセダン/ワゴンは3ナンバーに脱皮しつつも、ボディー本体は今回も日本専用なのだ。この点をいい当てた事前スクープはほとんどなかった。

日本向けの新型カローラはハッチバックも含めて全車形でホイールベースが2640mmだが、それは日本だけの特例。海外向けセダン/ワゴンのそれはハッチバックより長い2700mmである。日本仕様はさらにリアオーバーハングも削られており、4.5mをわずかに切る全長は海外向けより85~95mmも短い。それだけではない。フェンダーやドア、ルーフ、サイドパネルなどを日本専用とした全幅も、海外向け比で35~45mmナローな1740mm。つまり、日本のカローラの車体はハッチバックのカローラ スポーツのみが世界統一サイズで、セダンとワゴンは日本専用ということである。

この“全長4.5m未満×全幅1.74m”というサイズは、2009年から2015年にかけてバカ売れして“平成の国民車”となった3代目「プリウス」を参考に弾き出された数値という。新型カローラが世界統一で土台とする「GA-Cプラットフォーム」ではさすがに5ナンバー化は無理だそうだが、担当技術者によると「3代目プリウスはカローラからの乗り換えも大量に発生しました。その3代目プリウスのサイズまでなら日本での使い勝手には問題ないと証明されたということでもあります」との判断らしい。それにとどまらず、ドアミラー位置も独自に工夫することで、日本人の駐車スタイルである“ドアミラー格納状態”での車幅を5ナンバーだった先代と同等までせばめた。

ホイールベースは、海外仕様車に比べて60mm短い。後席のニールームも海外モデルよりはせまくなるが、先代の国内仕様車からは拡大されている。
ホイールベースは、海外仕様車に比べて60mm短い。後席のニールームも海外モデルよりはせまくなるが、先代の国内仕様車からは拡大されている。拡大
リアのオーバーハングは、ワゴンモデルの場合で、海外仕様車よりも95mm短くなっている。荷室の積載容量は、調節可能なフロアを上段にセットして5人乗車した状態で325リッター。
リアのオーバーハングは、ワゴンモデルの場合で、海外仕様車よりも95mm短くなっている。荷室の積載容量は、調節可能なフロアを上段にセットして5人乗車した状態で325リッター。拡大
ドアミラーにも工夫が見られる。格納時の幅を、先代比で片側あたり5mm増しに抑えるなど、狭い駐車場での乗降性に配慮したという。
ドアミラーにも工夫が見られる。格納時の幅を、先代比で片側あたり5mm増しに抑えるなど、狭い駐車場での乗降性に配慮したという。拡大
あなたにおすすめの記事
関連記事
  • トヨタ・カローラ ハイブリッドW×B(FF/CVT)【試乗記】 2020.1.24 試乗記 2019年秋の発売以来、好調なセールスが伝えられる12代目の「トヨタ・カローラ」。そのステアリングを握った筆者は、従来モデルとのあまりの違いに大きなショックを受けたのだった。
  • トヨタ・カローラ/カローラ ツーリング/カローラ スポーツ【試乗記】 2019.10.11 試乗記 1966年以来の伝統を誇る「トヨタ・カローラ」の現行モデルに、4ドアセダンとワゴンの「ツーリング」が登場。専用設計のショート&ナローなボディーを持つ日本仕様の出来栄えやいかに? 足まわりに改良を受けた「カローラ スポーツ」の走りもあわせて報告する。
  • トヨタ・カローラS(FF/CVT)【試乗記】 2019.12.5 試乗記 自慢のTNGAプラットフォームに日本専用ボディーをかぶせた新型「カローラ」は、なるほどトヨタの意欲作かもしれない。しかし、日本市場を席巻していたかつての姿を知る者にとっては、新型のキラリと光るポイントを理解しつつも、要所要所で感じる雑味が気になってしまうのだった。
  • 海外のとはこんなに違う! 新型「カローラ」に見られる“驚異の工夫”とは? 2019.9.20 デイリーコラム 2019年9月17日に販売がスタートした、新型「トヨタ・カローラ」の国内仕様車。先行発売された海外モデルと同じかと思いきや、日本独自のニーズに応える、驚くべき工夫が施されていた!
  • スズキ・ハスラー ハイブリッドX/ハスラー ハイブリッドXターボ【試乗記】 2020.2.6 試乗記 一代にして軽クロスオーバーというジャンルを築いた「スズキ・ハスラー」が、2代目にフルモデルチェンジ。ユーティリティー、装備の充実度、快適性、走りの質感と、全方位的な進化を遂げた新型は、開発理念にブレのない、完成度の高いクルマに仕上がっていた。
ホームへ戻る