シトロエンC5エアクロスSUVシャイン(FF/8AT)
見かけによらぬシトロエン 2019.10.16 試乗記 「優れた快適性こそが群雄割拠のSUV市場で際立つ新しい価値」というポリシーを掲げて登場した、シトロエンの新たなフラッグシップ「C5エアクロスSUV」。姿カタチは変われど、好事家を満足させるシトロエンらしさは受け継がれているのか? その仕上がりを確かめた。快適性能第一
「C4カクタス」の流れをくむ薄目ライト(実はデイタイムランニングライト)とボディーサイドのエアバンプ(もはやソフトなプロテクターではない)が特徴的なデザインは、誰がどう見ても個性的だが、ファンキーでユニークなその顔つきから“ゆるキャラ”的なファンシーな中身を想像するのはまったくの的外れである。
C5エアクロスSUVはシトロエンにとっては初めてのSUVということをアピールするためか、当たり前になり過ぎたSUVの文字が車名に加えられたが、いっそ付けないほうがユニークなキャラクターをアピールできたのではないかとも思う。
一時の経営危機から脱したグループPSAは、ブランドごとに鮮明なカラーを打ち出して急回復。シトロエンは「シトロエン・アドバンスド・コンフォート」プログラムの下、快適性能をブランドの核心的価値と位置付け、新世代シトロエンを送り出してきているが、そのフラッグシップモデルとなるのがC5エアクロスSUVである。
熱いファン層が根強く存在したせいで、日本におけるシトロエンはどうしてもマニアックな香りを漂わせ、クルマ好きビギナーにはなんとなく手を出しづらい雰囲気があったが、コンフォート性能を第一に掲げたおかげで以前よりずっと立ち位置が明確でわかりやすくなったのは間違いない。同プログラムは、サスペンションとシート、ゆったりとした空間、素材、エアクオリティーそして音響という6分野において乗員の快適性を追求する開発プログラムだという。