電動化は環境性能向上策にあらず

「シアンFKP 37の駆動用モーターは34PS、そしてシステム重量は34kg。つまりパワーウェイトレシオは1になります。エネルギー密度においてこれを上回るハイブリッドシステムはありません」

マウリツィオ・レッジャーニCTOはシアンFKP 37にハイブリッドシステムを導入した意図を、環境性能のためではないと明言する。

「低電圧・高電流のハイブリッドシステムを構築している最大の理由は省スペースと軽量化です。大容量のリチウムイオン電池を搭載し、電圧を800V級に昇圧するとなれば、システム保護や冷却性能も考慮することになる。つまり、パッケージや重量がクルマの性能を左右することになります。が、われわれには12気筒という象徴的なパワーユニットがありますので、それを生かし切るパワーサプライとしてこのシステムを構築したわけです」

参考までにシアンFKP 37はベースに該当するだろう「アヴェンタドールS」に対して45PS上となる785PSをエンジンのみで発生。これに件(くだん)の34PSとなる48V駆動用モーターを組み合わせ、システム合計出力では819PSを発生する。0-100km/h加速は2.8秒、最高速は350km/h以上とされるが、モーターの特性を鑑みればその真価は低中速域でアシストが加わった際にこそ発揮されるはずだ。

それを端的に示す数字として、70-120km/h加速は最新の限定車となる「アヴェンタドールSVJ」と比較して1.2秒も短縮されるという。ちなみにモーターアシストの範囲は100km/hまでというから、70-100km/hの間に強烈なプッシュが加わっているということだろう。

2019年フランクフルトモーターショーのランボルギーニブースで行われたプレスカンファレンスのシーン。ステージ上で、同社のマウリツィオ・レッジャーニCTOが「シアンFKP 37」の車両概要やハイブリッドのメカニズムを紹介した。
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「シアンFKP 37」のインストゥルメントパネル。既存のランボルギーニ各車と共通するテイストでデザインされており、ハイブリッドモデルならではという特別感はあまりないが、3Dプリントで製造されたパーツが市販車のインテリアとして世界初採用されたという。
「シアンFKP 37」のインストゥルメントパネル。既存のランボルギーニ各車と共通するテイストでデザインされており、ハイブリッドモデルならではという特別感はあまりないが、3Dプリントで製造されたパーツが市販車のインテリアとして世界初採用されたという。拡大
2シーターのキャビン後方、リアのバルクヘッド内にスーパーキャパシタを配置している。フランクフルトショーに展示された車両のインテリアは写真の「Terra di Sant’Agata Bolognese(サンタアガタ・ボロネーゼの大地)」と名付けられたカラーリングが採用されていた。
2シーターのキャビン後方、リアのバルクヘッド内にスーパーキャパシタを配置している。フランクフルトショーに展示された車両のインテリアは写真の「Terra di Sant’Agata Bolognese(サンタアガタ・ボロネーゼの大地)」と名付けられたカラーリングが採用されていた。拡大
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