電動スーパーカーへの第一歩

モーターをトランスミッション内に収めるがゆえ、ハウジングから再設計されたというシアンFKP 37のトランスミッションはグラツィアーノ製のシングルクラッチ式ISRを継承するが、電動化による副次的な作用として、ストラーダモードでのシフトアップ時のトルクの落ち込みを瞬時にモーターの駆動でカバーする機能も加えられている。また、スーパーキャパシタへの蓄電は100%減速エネルギーの回生で賄われ、短時間・極低速であればモーターのみの前進後退も可能となっている。

「われわれのモデルの根源的な魅力を削(そ)いでまで燃費性能を望むカスタマーが多くいるということはないでしょう。つまり、シアンFKP 37は12気筒エンジンの近未来の継続性を示唆するとともに、先のコンセプトカー、テルツォ ミッレニオで示したピュアEVのスーパースポーツへとつながる第一歩でもあります」

ランボルギーニのテルツォ ミレニオは、技術研究のパートナーシップを結ぶMITとのコラボレーションをもって2017年に発表された。こちらも電源はスーパーキャパシタ的な発想で、しかも自らの車体に使用するカーボン材を蓄電に使用するという大胆なコンセプトは、2035年の実現を目指しているという。

シアンFKP 37は今後ランボルギーニが向かうであろう電動化への貴重な第一歩であるとともに、12気筒を可能な限り延命させるのみならず、さらにパフォーマンスアップを果たすことを実証するモデルとして歴史に名を残すことになるはずだ。ちなみに現時点ではランボルギーニの創業年にちなんだ63の限定台数は完売。さらにごく少数、スパイダーの追加もうわさされるが、それも完売は必至だという。

(文=渡辺敏史/写真=ランボルギーニ/編集=櫻井健一)

「シアンFKP 37」のエクステリアには、過去のランボルギーニ市販モデルへのオマージュといえるデザインが盛り込まれているという。
「シアンFKP 37」のエクステリアには、過去のランボルギーニ市販モデルへのオマージュといえるデザインが盛り込まれているという。拡大
一般的にハイブリッド車に用いられるバッテリーの代わりに「シアンFKP 37」では、スーパーキャパシタを採用。リアのバルクヘッドには、それを示すロゴ入りカーボンパネルが設置されている。
一般的にハイブリッド車に用いられるバッテリーの代わりに「シアンFKP 37」では、スーパーキャパシタを採用。リアのバルクヘッドには、それを示すロゴ入りカーボンパネルが設置されている。拡大
2017年11月にランボルギーニ初のフルEVスーパーカーとして、共同開発先のアメリカ・マサチューセッツ工科大学にて実車が発表された「テルツォ ミレニオ」。
2017年11月にランボルギーニ初のフルEVスーパーカーとして、共同開発先のアメリカ・マサチューセッツ工科大学にて実車が発表された「テルツォ ミレニオ」。拡大
「テルツォ ミレニオ」はランボルギーニ車でおなじみのリアミドに搭載されるエンジンの代わりに、4輪それぞれに独立したモーターを備えるインホイールモーター方式を採用している。
「テルツォ ミレニオ」はランボルギーニ車でおなじみのリアミドに搭載されるエンジンの代わりに、4輪それぞれに独立したモーターを備えるインホイールモーター方式を採用している。拡大
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