サーキットもイケるレンジローバー

最初に乗ったのはレンジローバー スポーツSVR。よじ登るように運転席へ乗り込んでシートベルトを締めると、SUVらしからぬスポーティーなバケットシートに体をホールドされる。エンジンをかける。ドロドロドロ……。重低音が響く。ピットを出てコースイン。左コーナーをふたつゆっくりと通過した後、緩い右コーナーでアクセルを深く踏み込む。ヘルメット越しに耳に入ってくるサウンドがドロドロドロからバリバリバリとけたたましいものへと変化し、強烈な加速Gを背中に感じた。重さの象徴のようなV8エンジンを積むにもかかわらず、あまりのパワーにフロントが浮き、フロントウィンドウ越しの景色がやや“空多め”となる。

踏めば踏んだだけ加速していくさまにも驚かされるが、もっと驚かされるのはストッピングパワーの強大さ。レンジローバー スポーツはエンジンのみならずボディーもオールアルミで軽量化に努めてはいるものの、そもそもの図体(ずうたい)が大きく、装備もてんこ盛りのため、SVRの車両重量は2450kgに及ぶ。そのことを考慮し、コーナーのはるか手前からブレーキングを始めた結果、完全に余ってターンインすべき部分まで少しアクセルを足すというイケてない運転になってしまった。めちゃくちゃ止まるんだなこれが。しかもわれわれが経験したのは試乗会の3日目。前々日、前日と一日数時間のハードブレーキを続けに続け、3日目でもこのブレーキングとは恐れ入る。

車両設定を自動制御する「テレインレスポンス2」でダイナミックモードを選んではいたが、もともとラグジュアリーSUVとして開発されたモデルだけあって、サーキットでは車体が前後左右に大きく揺れる。快適性を追求したエアサスが動きを抑えきれないのだ。揺さぶられながらのハイスピードドライビングとなった。もちろん、サーキット以外ではこのエアサスが乗員に極楽をもたらしてくれるわけで、エアサスであること自体にはなんの文句もない。

ライトハンダーにアプローチする「レンジローバー スポーツSVR」。その高出力にも増して驚かされたのは、制動力の強大さだった。
ライトハンダーにアプローチする「レンジローバー スポーツSVR」。その高出力にも増して驚かされたのは、制動力の強大さだった。拡大
「レンジローバー スポーツSVR」のインテリア。レバー式のシフトセレクターを採用し、ステアリングコラムにはシフトパドルも備わっている。
「レンジローバー スポーツSVR」のインテリア。レバー式のシフトセレクターを採用し、ステアリングコラムにはシフトパドルも備わっている。拡大
ヘッドレスト一体型のスポーティーなフロントシート。ラグジュアリーな雰囲気を演出しながら、サーキット走行ではドライバーの体をしっかりとホールドする。
ヘッドレスト一体型のスポーティーなフロントシート。ラグジュアリーな雰囲気を演出しながら、サーキット走行ではドライバーの体をしっかりとホールドする。拡大
ランドローバー・レンジローバー スポーツSVR
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4880×1985×1800mm/ホイールベース:2920mm/車重:2450kg/駆動方式:4WD/エンジン:5リッターV8 DOHC 32バルブ スーパーチャージャー付き/トランスミッション:8段AT/最高出力:575PS(423kW)/6500rpm/最大トルク:700N・m(71.4kgf・m)/3500-5000rpm/タイヤ:(前)295/40R22 (後)295/40R22/価格:1723万円
ランドローバー・レンジローバー スポーツSVR
	ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4880×1985×1800mm/ホイールベース:2920mm/車重:2450kg/駆動方式:4WD/エンジン:5リッターV8 DOHC 32バルブ スーパーチャージャー付き/トランスミッション:8段AT/最高出力:575PS(423kW)/6500rpm/最大トルク:700N・m(71.4kgf・m)/3500-5000rpm/タイヤ:(前)295/40R22 (後)295/40R22/価格:1723万円拡大
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