今年は三つどもえの混戦模様 鈴鹿で勝つのは……?

さて、2019年の日本GPを制するのはどこになるだろうか。過去の戦績からすればメルセデス、日本人としてはレッドブル・ホンダと言いたいところだが、今シーズンこれまでの流れからすれば、そう簡単に予想できるものでもなさそうだ。

今季は、3強チームそれぞれがある周期で活躍する「3つの局面」があった。まずは3月の初戦オーストラリアGPから6月の第8戦フランスGPまでメルセデス8連勝、ハミルトンが6勝を記録した「メルセデス連勝期」。メルセデスが強かったというより、ライバルの出だしが悪かったと言うべきかもしれないが、この時点で大量リードを築いたシルバーアローに、夏になってようやく強烈なカウンターパンチを食らわせたのがレッドブルだった。

6月末の第9戦オーストリアGP、雨で荒れた第11戦ドイツGPとフェルスタッペンが2勝。第12戦ハンガリーGPでは、フェルスタッペンが93戦目にして初ポールポジションを獲得、レースではハミルトンと壮絶なトップ争いを繰り広げ、サマーブレイク前まで「レッドブル・ホンダ隆盛期」が続いた。

そして、8月末の第13戦ベルギーGPから日本GP前の第16戦ロシアGPまでの「フェラーリ覚醒期」だ。絶好調だった冬の合同テストから一転、思わぬ苦戦を強いられることになったスクーデリアが遅まきながら目覚め、ベルギー、イタリアの高速戦で2連勝したばかりか、続く市街地コースの第15戦シンガポールGPでは1-2を決め3連勝。ロシアGPではシャルル・ルクレールの4連続ポール奪取、ベッテルのリタイアで出されたバーチャルセーフティーカーまでは優勝争いに加わるほどの活躍を見せた。

先にも触れたように、鈴鹿では総力戦となるため、パワーユニットならピークパワーのみならず、レスポンスやドライバビリティーの良さも求められる。さらに車体においても、S字などではしっかりとしたダウンフォースが必要とされる一方、ストレートでのドラッグ(空気抵抗)にも気を配らなければならず、どこか一点が秀でているだけでは勝負にならない。近年はハイダウンフォース寄りのメルセデス、レッドブルが上位に食い込んできたが、今季の直近の2戦では、“直線番長”だったフェラーリが空力バランスを大幅に改善してきたことで三つどもえの様相を呈しており、先が読みづらくなっている。

シーズンを通して浮き沈みの少ないメルセデスが半歩リードといったところかもしれないが、ポールを連取しているフェラーリが予選でフロントローに並ぶとなれば、オーバーテイクが難しい鈴鹿で勝ちきる可能性も考えられそうだ。

ここのところ“3強の3番手”に落ち着きつつあるレッドブルは予選に課題がある。今季ポールは1回のみと、8回のメルセデス、7回のフェラーリに大きく引き離されており、せめて2列目、できれば3番グリッド以上を狙いたいところ。しかし失敗が多いレーススタートにはもうひとつの不安材料もある。しっかりとスタートし、タイヤを持たせ、巧みなピット戦略でトップを目指す、そうした、したたかな戦い方ならレッドブルにも勝機はありそうだ。

ホンダ勢の切り込み隊長、マックス・フェルスタッペン(写真)。トロロッソからレッドブルに昇格した2016年から3年間、鈴鹿で表彰台に立ち続けている。チームの地元オーストリアGPで今季初優勝、ドイツGPでも勝利を飾り、ハンガリーGPではキャリア93戦目にして初ポールポジションを獲得した。ホンダの凱旋レース、日本GPでも奮起が期待される。(Photo=Red Bull Racing)
ホンダ勢の切り込み隊長、マックス・フェルスタッペン(写真)。トロロッソからレッドブルに昇格した2016年から3年間、鈴鹿で表彰台に立ち続けている。チームの地元オーストリアGPで今季初優勝、ドイツGPでも勝利を飾り、ハンガリーGPではキャリア93戦目にして初ポールポジションを獲得した。ホンダの凱旋レース、日本GPでも奮起が期待される。(Photo=Red Bull Racing)拡大
65年ぶりとなるタイ国籍ドライバーとして今年トロロッソからデビューしたアレクサンダー・アルボン(写真)。F1デビュー決定も突然なら、シーズン途中の第13戦ベルギーGPで起きたレッドブル昇格も急な話だった。チームの支柱、フェルスタッペンのチームメイトという難しいポジションでも善戦しており、ロシアGPでは自身のミスでピットレーンからスタート、セーフティーカーなどを味方にしながら5位入賞を果たすなど、派手さはないが堅実なシーズンを送っている。(Photo=Red Bull Racing)
65年ぶりとなるタイ国籍ドライバーとして今年トロロッソからデビューしたアレクサンダー・アルボン(写真)。F1デビュー決定も突然なら、シーズン途中の第13戦ベルギーGPで起きたレッドブル昇格も急な話だった。チームの支柱、フェルスタッペンのチームメイトという難しいポジションでも善戦しており、ロシアGPでは自身のミスでピットレーンからスタート、セーフティーカーなどを味方にしながら5位入賞を果たすなど、派手さはないが堅実なシーズンを送っている。(Photo=Red Bull Racing)拡大
ドイツGPで3位に入ったダニール・クビアト(写真)。2017年を最後にレッドブルのドライバー枠から外れ、フェラーリでテストを担当。今季再びトロロッソに舞い戻ってきた25歳のロシア人だ。かつてはドライビング、気性とも荒さがあったが、落ち着いたレースのできるドライバーに成長。トロロッソのリードドライバーとして今季これまで33点をチームに献上している。鈴鹿でも入賞を目指す。(Photo=Toro Rosso)
ドイツGPで3位に入ったダニール・クビアト(写真)。2017年を最後にレッドブルのドライバー枠から外れ、フェラーリでテストを担当。今季再びトロロッソに舞い戻ってきた25歳のロシア人だ。かつてはドライビング、気性とも荒さがあったが、落ち着いたレースのできるドライバーに成長。トロロッソのリードドライバーとして今季これまで33点をチームに献上している。鈴鹿でも入賞を目指す。(Photo=Toro Rosso)拡大
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