ネックになるのは個人のマイカー

自動運転を語るうえで、まずは頭の中を整理していただきたい。

それは、自動運転には大きく2つの領域があるということ。そして、そのそれぞれが当面、技術的な進化の点で別々の道を進むということだ。

領域のひとつは「オーナーカー」。つまり、個人が所有する乗用車を指す。もうひとつは「サービスカー」と呼ばれる、公共交通機関や物流向けの商用車である。

わが国の経済産業省、国土交通省、警察庁などが示す自動運転の普及ロードマップでは、後者のサービスカーは最初からレベル3以上の自動運転を想定としていて、2020年にはレベル4のシステムを社会的に実装すると示されている。そして実際、日本国内の特定地域においてレベル4実現に向けての最終調整に入っている。

サービスカーでは、走行する場所や時間を限定することが可能で、自動運転の主体がクルマのシステム側となるレベル3以上での量産化のハードルが、オーナーカーに比べると低い。 

オーナーカーの場合は、自動運転に対応していないクルマや、自動運転レベル1(自動ブレーキやACC、車線逸脱防止などの運転支援のみ対応)、または自動運転レベル2(車線をキープしながらの前車追従、高速道路での自動合流などが可能)のクルマと混走するため、高速道路と一般道路のいずれにおいても、もらい事故のリスクが高くなる。結果として、レベル3以上のオーナーカーでは製造者側の責任(PL:Product Liability)が問われることになり、自動車メーカーにとっては大きなリスクになるのである。

BMWは2019年10月25日、国内で「7シリーズ」ベースの自動運転プロトタイプ(写真)を披露した。
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この「7シリーズ」自動運転プロトタイプは、前後3つのレーダーと5つのLiDAR、11個のカメラを搭載するが、こうした機器の数は開発車両により異なる。
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トランクルームにはデータ解析用とおぼしき機器がぎっしりと積み込まれている。
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