画期的な渋滞緩和策

同じ国道で、片方向だけ3年も先行開通させるという事例は極めて珍しい。いったいナゼ?

理由は、両方同時に着工するだけの予算がつけられなかったことに加えて、「建設ヤードが狭いため」(国土交通省関東地方整備局)でした。

ちなみに、首都高の東京港トンネルは、あらかじめ造っておいた沈埋函(ちんまいかん)を海底に沈める沈埋トンネルだったけど、国道のほうは、海底のごく浅いところ(わずか7m!)を掘り抜いたシールドトンネルです。首都高のほうはトンネル断面が長方形だけど、国道のほうは丸いので、走ればその違いがわかるはずであります。

これで国道側の海底トンネルも両方向完成したんだから、もう首都高湾岸線東行きも渋滞しないだろ! と思ったら、そうはなっていない。やっぱりトンネル手前で合流が2発も連続するのは痛いし、東行きは手前が大きなカーブになっているし。

で、対策はあるのかというと、実は私、以前からある提案をしておるのです。

それは、大井インターと臨海副都心インターの出口と入口を、現在の反対向きにすること。つまり、出口は首都高東京港トンネルの手前側に置き、入口はトンネルの後側に置く形に付け替えるというものであります。さすれば、首都高東京港トンネルの渋滞は大幅に緩和されるはずなのです。

出口がトンネルの手前にあれば、トンネルに入る前に交通量が減るので、その分だけトンネルを先頭にした渋滞は緩和されるという、実に単純な理屈です。

いや、そんなことをしたら、今度は国道357号線の東京港トンネルが渋滞するんじゃないかと懸念する方もいるでしょうが、大丈夫です。なぜなら、国道トンネルの交通量にはぜんぜん余裕があるので。

交通流図を見ると、首都高湾岸線東京港トンネルの交通量は、東行き・西行きともに約7万台/日。対する国道トンネル(西行き)は約1万台/日と、圧倒的に少ない。車線数は首都高が片側3、国道が同2なので、国道は明らかに容量が余っている。

開通したばかりの東行きも、先日軽くカウントしてみたところ、首都高側が5分間で260台だったのに対して、国道側は同じく5分間で58台と、はるかに少なかったであります!

国道357号東京港トンネルは、東京港トンネルに並行して建設された。(国土交通省関東地方整備局のHPより)
国道357号東京港トンネルは、東京港トンネルに並行して建設された。(国土交通省関東地方整備局のHPより)拡大
国道357号東京港トンネル東行きの内部。
国道357号東京港トンネル東行きの内部。拡大
国道357号東京港トンネル開通以前の、首都高湾岸線東京港トンネル東行き手前の渋滞の様子。2016年に撮影。
国道357号東京港トンネル開通以前の、首都高湾岸線東京港トンネル東行き手前の渋滞の様子。2016年に撮影。拡大
清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

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