ホンダN-WGNカスタムL・ターボ Honda SENSING(FF/CVT)
指折り数えて待つが吉 2019.11.12 試乗記 新型「N-WGN」の仕上がりにはスキがない。さすが軽自動車市場を席巻するホンダの最新作といえる仕上がりだ。クルマの出来栄えをリポートするとともに、ヒット作ばかりの「N」シリーズを生み出す、ホンダのクルマづくり・人づくりの最前線を紹介する。人騒がせなEPB
新型N-WGNといえば、今年2019年8月に発売となり、発売2週間で受注2万台突破……と、スタートダッシュにも成功した。各メディアでの評価も上々である。しかし、すでに一般の経済系ニュースでも取り上げられているが、2019年11月現在、その生産が停止している。
キッカケは出荷前検査で電動パーキングブレーキ(EPB)に警告灯の異常点灯が見つかったことだ。しかも、その件をサプライヤーに確認している最中に、同部品を使う他社製品で別の不具合が判明したこともあって、対策に時間がかかっているという。
さらに、今秋に発売予定だった新型「フィット」にも同じ部品が使われたために、ホンダのEPB問題はさらに拡大。ついには、八郷隆弘社長が10月23日の東京モーターショープレスデーで説明する事態になった。
八郷社長によると、この11月に発売予定だった新型フィットはEPBを代替部品に(正確には、問題となっているドラム式をやめて、当初は上級モデル専用だったディスク式に統一)することで、あらためて2020年2月に発売する。また、N-WGNについては、部品供給を整えて、年明けの2020年はじめにも生産再開する見通し……とのことである。
そういえば、EPBを軽自動車(以下、軽)に初めて持ち込んだのもホンダだった。2014年末に「N-BOXスラッシュ」で軽初のEPBを商品化した際は「力の弱い女性でもスマートにあつかえます」というアピールが第一だったが、それは同時に世界初のドラム式EPBでもあった。
当時はコストのわりにメリットもさほど大きくなさそうだったEPBをあえて採用したのも、今から思えば新型N-WGNへの布石だった?……とは、さすがに妄想がすぎるだろうか(EPBのサプライヤーも両車で異なるらしいし)。