ルノー・メガーヌ ルノースポール トロフィーEDC(FF/6AT)
探求心をそそられる 2019.11.14 試乗記 ルノーのモータースポーツ部門が手がけたハイパフォーマンスモデル「メガーヌ ルノースポール(R.S.)」の中でも、さらに運動性能に磨きをかけた「トロフィー」が日本に導入された。より高出力なエンジンと、コーナリング性能を突き詰めた足まわりが織りなす走りを報告する。ニュルFF最速アタッカーのDNA
R.S.におけるトロフィーというバリエーションのはじまりは2005年だった。2代目となる「メガーヌ2」と「クリオ2(日本名:ルーテシア)」のR.S.(ともにR.S.としては初代にあたる)に、専用チューンのサスペンションを与えた限定モデルとして発売されたのが最初である。
そして、続く「メガーヌ3」のR.S.(=先代)では、独ニュルブルクリンク北コースのタイムアタック仕様にトロフィーの名を冠するのが通例となった。現行のメガーヌ4 R.S.も今年(2019年)4月にタイムアタックを初めて敢行。改修前のニュルで「ホンダ・シビック タイプR」が記録した量産FF最速タイムを、予定どおりに更新した。
今回上陸した新型メガーヌR.S.トロフィーは、そんな歴史から、日本では「ニュルブルクリンクFF最速のDNA」というキャッチコピーが与えられている。ここで“~のDNA”という、ちょっと回りくどい表現になってしまっているのは、これがニュルでタイムアタックした仕様ではないからだ。
ニュルで新記録をたたき出したメガーヌ4 R.S.は、このトロフィーをさらにカリカリにチューニングした「トロフィーR」である。そのトロフィーRは2シーター化や薄肉ガラスの採用にはじまり、最終的にはメガーヌ4 R.S.最大のアイデンティティーであるリアステアまで省略するという、「それって反則!?」なレベルの容赦ない軽量化が特徴である。まあ、競技ではないので反則もなにもないのだが、そのなりふり構わないエゲツなさもまた、ファンにはたまらないR.S.の魅力……という話は、ここでの本題ではない。
そんなトロフィーRも近い将来に、おそらく日本でも少量限定販売されるだろうが、いずれにしても、それは今回のトロフィーとは別のモデルである。
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