セーフティーリーダーとしての自負

全車に180km/hの速度制限を導入するというのは、話をスピードに限れば、クルマに対する“去勢”とも捉えられかねないし、ネガティブな意見が飛び出すことも考えられる。実際、イヴァーソン氏の発表の中では、この方針を打ち出した際に「クルマが180km/h以上で安全に走れないなんて、弱さの証しだよ」「自分のことは自分で決めたい。おせっかいな国は嫌いだね。自分のクルマで自由に走れないなんておかしい」といった意見があったことも紹介された。

とはいえ、氏は力強くこう続ける。

「こういったネガティブな意見は、60年前に3点式シートベルトを装備したときにもあったんです。でも、今ではほとんどの人が使っていますよね」

ボルボがここまで思い切った改革に踏み切った背景には、「2022年以降に販売される新車にISAを義務付ける」とした欧州議会の決定によるものも大きいと推測する。が、おそらく同社もその動きに少なからず影響を与えているのだろう。決定に対していち早く対応し新たな宣言をしたところに、セーフティーリーダーを自負するボルボの覚悟が見てとれる。

3点式シートベルトから始まったボルボの取り組みは、新たなセーフティースタンダードを築くことができるのだろうか。今後の動きに注目したい。

(文=スーザン史子/写真=スーザン史子、ボルボ・カーズ)

ボルボは1959年に3点式シートベルトを開発。
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1978年には世界で初めて車内設置型のチャイルドクッションを開発。チャイルドセーフティーの先駆者としても貢献してきた。
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ボルボは未来のモビリティーに対しても、人を中心としたアプローチをしていくという。
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