トヨタC-HR S“GRスポーツ”(FF/CVT)/トヨタC-HR S-T“GRスポーツ”(FF/6MT)
方針にブレなし 2019.12.02 試乗記 トヨタのクロスオーバーSUV「C-HR」に、スポーツコンバージョンモデル“GRスポーツ”が追加された。パワートレインには手をつけないライトなチューニングが特徴のGRスポーツだが、コースと時間がかぎられた試乗でも、標準車とのちがいがはっきりくっきりと感じ取れたのだった。標準モデルも足まわりを変更
今回GRスポーツがC-HRに追加されたのは、C-HRそのもののマイナーチェンジを機にしたものである。
最近でこそ国内販売が失速気味となっていたC-HRだが、基本的にはグローバルでの成功商品だけに、今回のマイナーチェンジも細部のデザインと装備類のアップデートがメインの正攻法。ただ、国内月販目標が3600台(発売当時は6000台)と控えめに修正されたのは残念といえば残念だが、今では同門内に「RAV4」が復活するなどの市場環境の変化もあり、いたしかたない面もあろう。
1.2リッターターボ車にマニアックな6段MTが追加されたこと以外、走行メカニズムについての変更点は資料その他には明記されない。ただ、担当氏によると、日本仕様のショックアブソーバーがすべて、従来のドイツ由来SACHS(ザックス)製から日本の日立オートモティブシステムズ(以下、日立)製に変更されたそうだ。
日立のショックといえば、もともとは2015年に買収した旧トキコの製品である。今回の変更は性能や味つけの改良というより、安定した部品供給(とおそらくコストダウン)のためという理由が大きいという。これまでのザックスは全数が輸入品だったが、日立はご想像のとおり日本製だ。
GRスポーツに乗る前に、そのマイナーチェンジ版C-HRの標準モデルも、特設コースで“お試し”することができた。新旧ショックの減衰力に大きな差はないというが、部品自体が別物になったわけだから、最適化=再セッティングは施されている。
あくまで特設パイロンコースでの印象だけでいうと、新しい日立のアシは動き出しが柔らかく滑らかだ。そこから想像するに、市街地などの低速域ではザックスよりわずかに乗り心地が快適になっていると思われる。もっとも、実際に街中で走ってもそうなのか、あるいは高速での安定性や大入力の吸収力は犠牲になっていないのか……はまた別の機会にゆずりたい。
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