大きく変化したSUV市場のニーズ

1991年に登場した2代目パジェロは、角を落とした丸みを帯びた姿が特徴だった。それでもクロカン四駆のフォルムは保っており、都市でも自然の中でも調和するよう工夫されていた。四輪独立懸架を採用することを推す声もあったが、リアサスペンションは堅牢(けんろう)なリーフリジッドを踏襲した。

4WDシステムについても議論があった。フルタイム四駆を採用することも検討されたが、後輪駆動モードを残したいという意見が多く、最終的にはフルタイムとパートタイムの両方の機能を併せ持つ「スーパーセレクト4WD」を採用。手動による2WDと4WDの切り替えは、100km/hまでなら走行中に操作することも可能だった。その他の機能も前モデルからは大きく進歩している。4輪ABSも装備され、安全性も高まった。オフロード性能を犠牲にすることなく、街中や高速道路での快適性を高めることを目指したのだ。

初年度の販売台数は6万5000台近くになり、輸出を加えると総生産台数は14万5000台に達した。ギャランの数字を抜いて、三菱の売り上げトップに躍り出たのである。1989年には80系トヨタ・ランドクルーザーがデビューしており、1990年には「ランドクルーザープラド」が誕生した。パジェロがモデルチェンジした1991年には、「いすゞ・ビッグホーン」も新しいモデルを発売している。どのモデルも都市での使用を強く意識していて、日本中の街角に背の高い4WD車があふれることになった。

2000年代に入り、SUVはクルマの選択肢としてごく当たり前の存在になっていった。乗用車と変わらない快適性を手に入れ、スペースやユーティリティーの点でのメリットも多い。スタイルはSUVでも、駆動方式はFFでオフロード走行には向かないモデルも珍しくない。

4代目となったパジェロも四輪独立懸架を採用し、内外装の高級感が増していた。しかし、時代はさらに洗練とファッション性を求めるようになり、プレミアムブランドやスポーツカーメーカーも続々とSUVを発売するようになっていた。SUVが隆盛を極める中、2019年8月にパジェロは国内販売を終了した。700台限定の「ファイナルエディション」には注文が殺到したという。

(文=webCG/イラスト=日野浦剛)

2代目「パジェロ」は1991年1月に登場。幅広いニーズに応えるべく、当初からメタルトップ、ミッドルーフ、キックアップルーフ、Jトップ(ソフトトップ)の4種類のボディーが用意されていた。
2代目「パジェロ」は1991年1月に登場。幅広いニーズに応えるべく、当初からメタルトップ、ミッドルーフ、キックアップルーフ、Jトップ(ソフトトップ)の4種類のボディーが用意されていた。拡大
2代目「パジェロ」の透視図。駆動システムには「スーパーセレクト4WD」の他、バンにはコンベンショナルなパートタイム4WDも用意された。
2代目「パジェロ」の透視図。駆動システムには「スーパーセレクト4WD」の他、バンにはコンベンショナルなパートタイム4WDも用意された。拡大
1999年に登場した3代目「パジェロ」では、オンロード性能を高めるべくビルトインフレーム方式のセミモノコックボディーを採用。足まわりも四輪独立懸架となった。
1999年に登場した3代目「パジェロ」では、オンロード性能を高めるべくビルトインフレーム方式のセミモノコックボディーを採用。足まわりも四輪独立懸架となった。拡大
2019年4月24日に発売された「パジェロ ファイナルエディション」。2019年8月をもって、パジェロは4代37年にわたる歴史に幕を下した。
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