韓国勢もあなどれない

ところで、毎度最新の韓国車が用意されるのも、この試乗会の特徴だ。このところますます“近くて遠い国”という雰囲気が強まり、もちろん日本に輸入されていないことによる興味もあって、今回も何台か目ぼしいモデルに触れてみた。

その中の1台が、コンパクトでボクシーなルックスが、かつての「トヨタbB」をほうふつとさせるキアの「ソウルEV」。容量64kWhのリチウムイオン電池を搭載し、航続距離は280マイル(約450km)。最高出力は201bhpというだけあって、見た目に反して(?)加速は活発。ラフなアクセル操作では簡単にホイールスピンするなど、「シャシーが追いついていない感」があるのは、くしくもライバルといえそうな「日産リーフ」のハイパワー版とそっくりだ。

そのネーミングゆえ(?)かつて“日本で最も有名な韓国車”となったヒュンダイの「ソナタ」は、なぜか大口を開けた不思議なマスクの持ち主へとフルモデルチェンジ。2.5リッターの4気筒直噴ガソリンエンジンにCVTを組み合わせたモデルをテストドライブしてみたものの、アクセル操作に対して妙にゲインの高い発進加速感が現れる動力性能や、バウンス挙動の激しい乗り味、微舵領域でのフィーリングが曖昧なステアリング等々と、その走りの仕上がりには「?」マークが並んでしまう結果になった。

一方、静粛性の高さやしなやかな乗り味で日本車の脅威になりうると感じたのは、「Telluride(テルライド)」という、車名の読み方が難しいキア発の最新SUVだった。

3.8リッターのV6直噴ガソリンエンジンと8段のステップATとの組み合わせによる走りは、静かでスムーズかつ上質。テスト車はオンデマンド方式の4WD仕様だったが、2WD=FWDモードへと切り替えても、ステアリングフィールが悪くなるような気配は感じられなかった。

短時間のテストドライブゆえじっくり使い込めたわけではないものの、カタログ上ではADASやコネクティビティーの充実度も、日本車に見劣りすることなく、高そう。「いつの間にやらここまでレベルを上げてきていたか」と、ちょっと驚かされた。

というわけで、日本に居るだけではなかなか分からないことが、一気に解明されることもあるのがこのイベントの魅力。果たして来年は、どんな“未知のモデル”に触れられるだろうか。

(文=河村康彦/写真=2019 World Car Awards/編集=関 顕也)

堂々たる体格を誇る、2台のSUV。写真左は「ヒュンダイ・パリセード」で、右は「キア・テルライド」。


	堂々たる体格を誇る、2台のSUV。写真左は「ヒュンダイ・パリセード」で、右は「キア・テルライド」。
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「日産キューブ」や「トヨタbB」を思わせる「キア・ソウルEV」。航続距離のメーカー公称値は450kmとなっている。
「日産キューブ」や「トヨタbB」を思わせる「キア・ソウルEV」。航続距離のメーカー公称値は450kmとなっている。拡大
キアの「テルライド」は、「モハベ」の後継となるSUV。2019年4月にデビューした。
キアの「テルライド」は、「モハベ」の後継となるSUV。2019年4月にデビューした。拡大
試乗車として用意された、さまざまな韓国車。写真手前の赤いモデルは8代目となる新型「ヒュンダイ・ソナタ」で、2019年3月に本国で発売された。
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