気軽に買えるモデルはある!?

では「156」はどうか。

アルファ156は、ワルター・デ・シルヴァがデザインした官能的なフォルムの4ドアセダン&スポーツワゴンで、90年代後半、アルファ・ロメオ復活の立役者となった。一瞬の夏でしたが。

ただ、後期型はジウジアーロデザインで顔が納得いかないので、狙いは前期型のMTモデルだ。

すると、「これなら……」と思える個体は、やっぱり3ケタ超えるんだよね。いっそのこと「GTA」! と思うと200万円近くになる。もはや高嶺(たかね)のネオクラシックです。買ってからの覚悟も必要だろうし、気軽に買えるタマじゃない。

「155」や「145」となると、さすがに中古車が絶滅寸前。155は私もかつて新車で買ったし、DTMチャンピオンのイメージのおかげで根強いファンがいるが、20歳オーバーだけに、実物を見に行くと塗装がハゲハゲだったりしてガックリくる。この世代のイタリア車が、青空駐車で20年塗装が持つはずないですね。

こうなると、残るは「147」だけだ。

01年、アルファ147が登場した時の印象は、「ドイツ車みたい!」だった。ボディーがめちゃめちゃしっかりして安心感満点。ツインスパークエンジンも、155時代と比べるとインテークが樹脂製になり心地よい吸気音が聞こえなくなっていたので、トータルで見るととってもフツーのクルマになっちゃったと思ったものの、そのフツーさゆえか中古価格は早い時期から下落。コスパが急上昇したのでした。

私も10年前、68万円で2リッターツインスパークの5MTモデルを買いました。当時、8年落ちで68万円というのは、気軽に薄味のイタリア車が楽しめるというバランス感が絶妙で、たまたま取材に行ったお店でその場で買ってしまったのです。

その後147の相場はさらに下落。一時は30万円以下で買える5MT車がゴロゴロしていたが、時の流れは残酷で、10年間で激減。今見たら、30万円以下の前期型5MT車(後期型はジウジアーロ顔なので除外)は、全国でたったの2台になっていた。われらカーマニアが買うべきアルファ・ロメオはいずこにあるか、再考せねばなるまい……。

(文=清水草一/写真=清水草一、池之平昌信/編集=大沢 遼)

前期型の「アルファ156」。
前期型の「アルファ156」。拡大
後期型の「アルファ156」。
後期型の「アルファ156」。拡大
筆者のかつての愛車「アルファ155」。
筆者のかつての愛車「アルファ155」。拡大
アルファ145
アルファ145拡大
筆者のかつての愛車「アルファ147」。
筆者のかつての愛車「アルファ147」。拡大
清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

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