一般道のHDマップ化にかかるコスト

現状の自動運転システムは、人間のように視覚や聴覚に相当するリアルタイムのセンサー情報だけで走行することができない。しかし、HDマップには路面情報や車線情報、3次元構造物などの情報が含まれ、これら情報とセンサー情報とを組み合わせることで、環境を適切に把握することが可能になる。一般道にもHDマップがあればよいのだが、地図づくりには莫大(ばくだい)な費用が必要。いまあるHDマップの距離約3万kmに対して、一般道は150万km超。そのすべてのHDマップをつくるとしたら、国家予算を超えるレベルの金額が必要だという。

そこで、日立製作所が提案するのが「DGM(Detailed Geometry Map:高詳細地図)」という新技術だ。

現状のカーナビに搭載されている地図(HDマップに対して、SDマップという)は道路を一本の線で表現している。それゆえに、右折や左折のポイントを交差点の中心でしか表現できない。カーナビで走行中、右折するつもりが交差点までの距離を見誤って右折しそびれた経験のある人、右折専用レーンに入りそびれて交差点を通過してしまった経験のある人は少なくないと思う。あるいは、次の左折に備えて中央車線から左車線へと車線変更をしたのに、その分岐では左側2車線が左折で、無理に車線変更する必要がなかった……といった経験もあるのではないか。

もしもカーナビではなく、道路事情に詳しい人が助手席で案内をしていたら「次の次の信号で右折して」「ここから右折レーンに入って」「このあとは左折だけど、車線変更は不要」と運転しやすいようにガイドしてくれるだろう。余談だが、筆者の父はこういったガイドが得意なので、ひそかに父のことを「パパナビ」と呼んでいる。安全第一ゆえに「はい、信号が変わった」「左前方に自転車あり」と逐一案内するのが煩わしいが、道路案内は完璧。さらに「のどが渇いた」とつぶやくとコンビニまで自動案内するアシスタント機能や、途中で運転を代わってくれる自動運転機能までも備えている。

「高精細3次元地図」のイメージ。車線だけでなくフェンスや建造物などの情報も含まれているのが分かる。
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