「電動」と「個性」がキーになる?

オペルをなぜこの時期に? という疑問について、「オペルは現在グローバルな展開を考えています」と、このとき来日したオペルオートモビルCEOであり(オペルが傘下に入っている)グループPSA執行役員のミヒャエル・ローシェラー氏は説明していた。

「2019年のロシアを皮切りに、これから、中国、アフリカ、南米の市場を開拓する方針で、大きな市場を持つ日本もその一環です」ということだ。

目標は大きいほうがいい、と私たちは景気のいい時代に教わった。けれど、オペルが入ってこようとしている(はずの)300~400万円台の市場は、日本では空洞化がいわれて久しい。

となると、オペルはBEV(バッテリー駆動の電気自動車)を含めて電動車に特化したブランドとする手もあるかもしれない。オペル(とグループPSA)では20億ユーロを投資して、仏に本社を置くエネルギー会社のトタルとともに、ドイツとフランスにバッテリー工場を建設する予定。フル稼働すれば年に50万台ぶんの供給能力を有するそうだ。

グループPSAは2019年10月にFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)との経営統合に合意しており、その新会社が近未来のオペルの役割を電動車に割り振る可能性だってある。けれど、そうなるとしても、もう少し先の話である。

日本ではどんなニッチ(すきま)が残されているか。若いときに「ヴィータ」(コルサの日本名)や「アストラ」で“オペル体験”をしている、いまの40代にアピールする車種がそれに相当するだろうか。

その世代にウケているのは同じグループ内のジープなので、やっぱりトンガった個性が感じられるといいだろう。かつては同じゼネラルモーターズの傘下にあったスズキのような企画性のあるクルマをもう少し大型化してドイツのクオリティーで、という方向性はどうだろう。オペルの日本再上陸前夜に、空想が広がるのだった。

(文=小川フミオ/写真=オペルオートモビル、webCG/編集=関 顕也)

近年、ロシアや南米など取り扱い地域を拡大しつつあるオペル。日本については「世界3位にランクされる大きな自動車市場で、プレステージ性がある」と認識しているという。
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