ポルシェ718ボクスターGTS 4.0(MR/6MT)/718ケイマンGTS 4.0(MR/6MT)
やっぱ コレでしょ! 2020.03.05 試乗記 「ポルシェ718ボクスター/718ケイマン」の高性能モデル「GTS」に、水平対向6気筒自然吸気エンジンが復活した。従来の4気筒ターボ版「GTS」比で35PS増しとなる最高出力400PSの「GTS 4.0」は、どんな走りを披露するのか。ポルトガルでの初試乗をリポートする。水平対向6気筒自然吸気への先祖返り
車名末尾に「S」の文字を掲げる既存のハイパフォーマンスバージョンをベースに、このブランドならではの、そして同時にとても高価な走りに関連するオプションを数多く標準装備化するなどしてフットワークポテンシャルを向上。加えて「よりスポーティー」であることをスペック上からも明確にアピールするべく、ソフトウエアのチューニングなどで前出のベースグレードを上回る最高出力のエンジンを搭載。さらに、より豪華さとスポーティーさを演出する専用のコスメティックを内外装に採用――。こうした手法を定番的に用いることで、モータースポーツ部門が手がけたGT系と、それ以外のベーシック系のはざまを埋めるという立ち位置が与えられてきたのが、GTSグレードのキャラクターだ。
シート背後にミドマウントされるエンジンを、自然吸気の6気筒ユニットからターボ付きの4気筒ユニットへと換装し、2016年に「718」という数字を加えリニューアルされたボクスター/ケイマンにも、まさに前述の手法を用いて完成されたGTSがすでに存在した。
今回紹介する同名のモデルは、しかしそんな“前期型”とはまったく異なるパワーユニットが採用された進化型。何と現行「911カレラ」系に搭載されるターボ付きの6気筒ユニットから「ターボチャージャーを外し、排気量を増大させた」とその概要が紹介できる4リッターの水平対向自然吸気エンジンが搭載されたのだ。
すなわちボクスター/ケイマンに再設定された最新のGTSは、「水平対向6気筒自然吸気への先祖返りを果たした」とも言えそうだ。その起源をたどれば1963年に発表された「904カレラGTS」にまで至るGTSの歴史の中にあっても、異例中の異例である。
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