ラック&ピニオンとパワーステアリングが標準に

1970年代から、ラック&ピニオン式ステアリングを採用するモデルが急増した。ピニオンギア(小歯車:多くの場合斜めに歯が切られている)とラックバー(一部に歯が切られた棒状の部品)を組み合わせたシンプルな構造である。ステアリングシャフト先端のピニオンギアでラックバーを左右に動かし、アームに力を伝達する。ダイレクト感を得やすい方式とされ、スポーティーなモデルから採用例が増えていった。

現在ではほとんどの乗用車にラック&ピニオン式ステアリングが採用されている。正確な操舵を可能にすることに加え、部品点数が少なくてすむためコストが安いというメリットがある。道路事情の改善も、普及を後押しした。ダイレクト感が強いということは、悪路ではキックバックが大きいことを意味する。舗装路が増えることでラック&ピニオンの弱点が解消され、利点が目立つようになっていったのだ。

自動車の大型化とFF方式の一般化で、前輪荷重はさらに増大した。ギアによる減速だけでは十分な操舵力を得ることが難しくなる。ドライバーを補助する目的で開発されたのが、パワーステアリングである。エンジンの出力を利用してポンプを作動させ、油圧でアシストする。第2次大戦前から研究は進んでおり、1950年代に大型化が進んだアメリカ車から装着が広がっていった。

ピニオンギアの回転によってラックバーを左右に動かすことで、車輪を転舵するラック&ピニオン式ステアリング。今日の乗用車では、この操舵機構が主流となっている。
ピニオンギアの回転によってラックバーを左右に動かすことで、車輪を転舵するラック&ピニオン式ステアリング。今日の乗用車では、この操舵機構が主流となっている。拡大
軍用車やバス、トラックなどから採用が始まったパワーステアリング。アメリカでは1950年代に普及が始まった。
軍用車やバス、トラックなどから採用が始まったパワーステアリング。アメリカでは1950年代に普及が始まった。拡大
パワーステアリングのアシスト機構は、当初はエンジンの駆動を用いた油圧式が主流だったが、現在ではより省燃費で、かつ緻密な制御が可能な電動モーター式が主流となっている。
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