“ショー”はライブで見る方がいい

そもそも編集部からのお題は、「幻となったジュネーブショー2020のトレンド、そこから見える自動車業界の潮流を探ってください」というものだったが、果たしてあまりに深刻な新型コロナウイルスの感染拡大をみるにつけ、そうのんきな話もしていられない。

欧州では人の移動が制限されている影響で、ダイムラーもBMWもフォルクスワーゲングループも生産ラインを止めている。日本メーカーではトヨタもイギリス、フランス、ポーランド、チェコ、トルコなど欧州の生産拠点をはじめ北米でも操業停止。アメリカでもビッグ3をはじめ、トヨタ、日産、ホンダなどの日本メーカーもすべてラインが止まっている状況だ。サプライヤーやロジスティクスに与える影響も尋常ではないだろう。

自動車レースの世界でも、F1をはじめ、ニュルブルクリンク24時間もルマン24時間も、国内では最も集客力のあるSUPER GTもすべて延期になった。まずは一日も早いパンデミックの収束を願うばかりだ。

最後にあえて言うならば、「Virtual Press Day」を見ていてわかったことがある。ごくあたり前のことだが、モーターショーは現地へ赴いたほうが面白いということだ。5Gなどで通信回線が速くなり、どんなにテレワークが進んだとしても、人の声や動きや会場の空気が生み出す臨場感までは伝わらない。何もコンサートや演劇だけでなく、モーターショーだってレースだって、“ライブ”なのだ。あんなに苦手だった人混みだって、とても大切な意味を持っているのだと知るに至った。

(文=藤野太一/写真=アストンマーティン、Newspress、webCG/編集=堀田剛資)

2019年の東京モーターショーより、トヨタのプレスカンファレンスに詰めかける報道陣。
2019年の東京モーターショーより、トヨタのプレスカンファレンスに詰めかける報道陣。拡大
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