メルセデス・ベンツ CLS350 ブルーエフィシェンシー/CLS63 AMG【試乗記】
見た目は派手に、心はやさしく 2011.05.22 試乗記 メルセデス・ベンツ CLS350 ブルーエフィシェンシー(FR/7AT)/CLS63 AMG(FR/7AT)……1044万1000円/1862万5000円
メルセデス・ベンツの4ドアクーペ「CLS」がフルモデルチェンジして登場。ダイナミックなボディに新エンジンを搭載した、新型の走りを試す。
セダンはカッコが命
「ご夫婦でディーラーに「Eクラス」を見に来られて、『こっちをください』という奥様のひと言で『CLS』に決まるケースが意外と多い」というのは、メルセデス・ベンツ日本の担当者の弁。なるほど、CLSってそういう風に買うクルマなのだ。
6年前、初代メルセデス・ベンツCLSクラスが登場した時には、「天井の低いクーペみたいなセダンを認めていいものか」というようなことを考えたり書いたりした覚えがある。でも、そんなカビの生えそうな議論をしていた自分よりも、ユーザーのほうがはるかに先を行っているのだ。
腰をかがめずに乗り降りできるとか荷物が積めるとか、そういった役割はミニバンなどに任せればいいのだ。いまの時代、セダンはひたすらカッコよさを追求すればいい。恥ずかしながら、6年かかってようやく周回遅れから脱しました。
2011年2月に日本で発表された2代目CLSのデザインは、さらにパンチ力を増した。片側だけで71個ものLEDを用いた「LEDハイパフォーマンスヘッドライト」を見て、“スワロフスキー増量”というフレーズが浮かぶ。長〜いボンネットと、そこから突き出るラジエターグリルのコンビネーションは、スーパースポーツ「メルセデス・ベンツSLS AMG」を彷彿(ほうふつ)とさせる。
これならディーラーを訪れた奥様はもちろん、ご主人も今まで以上に強い力で吸い寄せるはずだ。ヘッドランプから後方に流れるキャラクターラインは触ると切れそうだし、リアフェンダーのモリモリ感もすさまじい。
CLSの日本でのラインナップは2グレード。ひとつは従来型に比べて約3割も燃費が向上したという、新開発3.5リッターV型6気筒エンジンを積む「CLS350 ブルーエフィシェンシー」で、もうひとつが500psオーバーの5.5リッターV型8気筒ツインターボエンジンを積む「CLS 63 AMG」だ。
まずは販売の主力となるであろう、前者から紹介したい。
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