商談もついたて越しに

まずは第547回で紹介したルイージ・カザーリ氏が経営者を務めるルノー販売店を訪れた。

ショールーム入り口にはルノーのイメージカラーである黄色いボードとともに、消毒用ジェルとビニール手袋が置かれていた。

新たな政令でも「常にマスクを携帯。屋内では常時着用、屋外でも対人安全距離を保てない恐れがあれば着用」することが奨励されている。

館内に客の人影は見当たらなかったが、代わりに2人のセールスパーソンが電話で商談にあたっていた。

やがてそのうちのひとり、ダヴィデさんが応対してくれた。彼はルイージ氏のラリー&ヒルクライム仲間でもある。

「ショールーム休業中も整備部門は常に開けていましたよ」と、開口一番に彼らの店舗のサービス態勢を誇った。

彼のデスクには、透明アクリルパネル(イタリアでは商標が一般名詞化して“プレキシグラス”と呼ばれている)のついたてが設けられていた。傍らにはこれまた消毒用ジェルが置かれていた。

目下いち押しの車種は、3代目となった「ルノー・キャプチャー」である。ショールームの中央に置かれていた。

中古車ブースは車両が多くて管理が難しいため、テープで封鎖して休止中だ。いっぽうで納車ブースには、まだナンバープレートが付いていない白い「ルノー・クリオ」が置いてあって、スタッフの手によって引き渡し準備が進められていた。

そういえば、先ほどのテレビインタビューにおける回答者が示した「1万5000~2万ユーロ」というのは、キャプチャーも含めたルノー車の多くが当てはまる価格帯である。

こうしたブランドが、フィアットとともに市場再生のけん引役になるのは確かだろう。

シエナのルノー販売店であるパンパローニのエントランス。ディスプレイには本日出勤している営業スタッフが表示されていた。以下は2020年5月17日撮影。
シエナのルノー販売店であるパンパローニのエントランス。ディスプレイには本日出勤している営業スタッフが表示されていた。以下は2020年5月17日撮影。拡大
消毒用ジェルとビニール手袋が置かれたボードと、衛生管理のための順守事項一覧。
消毒用ジェルとビニール手袋が置かれたボードと、衛生管理のための順守事項一覧。拡大
透明アクリルパネル越しの営業マンは、ダヴィデ・チェンティーニさん。
透明アクリルパネル越しの営業マンは、ダヴィデ・チェンティーニさん。拡大
ルノー・イタリアのウェブサイト。先日までの外出制限を機に、ビデオチャットによる商談ボタンが設けられた。
ルノー・イタリアのウェブサイト。先日までの外出制限を機に、ビデオチャットによる商談ボタンが設けられた。拡大
バックヤードの納車ブースも再稼働した。この朝は「クリオ」の引き渡し準備が進められていた。
バックヤードの納車ブースも再稼働した。この朝は「クリオ」の引き渡し準備が進められていた。拡大
この販売店の経営者は、第547回で紹介したルイージ・カザーリ氏。これは彼が主宰するヒストリックカー同好会のオフィシャルカー。地元モータースポーツイベントの再開までには、あと少し時間を要しそうだ。
この販売店の経営者は、第547回で紹介したルイージ・カザーリ氏。これは彼が主宰するヒストリックカー同好会のオフィシャルカー。地元モータースポーツイベントの再開までには、あと少し時間を要しそうだ。拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。

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