環境では金は取れない

RAV4のPHVと非PHVの同等グレード同士の本体価格差は、前記のように額面では約80万円あるが、PHVには“CEV補助金”が国から22万円支給されるほか、環境性能割(以前の自動車取得税)も優遇されるので、購入時の支払額の差は、最終的に約55万円にまで縮まる計算になるという。

ただ、それでもRAV4 PHVは、一般のドライバーがごく普通に使うかぎり、純粋な経済性において容易に“モトが取れる”存在ではない。それはなにもRAV4にかぎったことではなく、プリウスPHVなども同じだ。

たとえば、PHVをもっとも安いエネルギーコストで運用する方法はそのクルマを純EVとして乗り、その電力をすべて自宅充電でまかなうことだ。電気料金は契約やクルマの電費によって上下するが、リーフなどの実績を考えると、年間1万kmで2.5~3.5万円といったところか。あとは出先での無料充電サービスで少しだけ圧縮する程度だろう。

ただ、普通のRAV4ハイブリッドの4WDでも、燃費はWLTCモードで20.6km/リッターである。かりに実燃費をそれより1割ほど低く見積もった18.0km/リッターとしても、1万km走るのに必要なガソリンは約555リッターで、リッター125円とすると、ガソリン代は1万kmあたり約7万円。単純計算では、10年10万kmでも購入時の差額のモトは取れないことになる。こうした構図はプリウスPHVを筆頭に、他社の市販プラグインハイブリッドも似たようなものといっていい。

現在のプラグインハイブリッド車の最大のアキレス腱は、このように、既存の環境車に対していまだに経済的優位性をもてないところだ。今のプリウスPHVも先代から一転してエクステリアデザインをPHV専用とするなど工夫はいろいろしているが、現在の国内販売台数は月間1000台前後で、発売当初の月販目標(2500台)を大きく下回っている。

今回のRAV4 PHVが環境性能や経済性を強くアピールしないのも、プリウスPHVでの経験によるところが大きい。ハッキリいうと「環境では金は取れない」のが現実である。

「RAV4 PHV」の駆動用リチウムイオンバッテリーは普通充電にのみ対応する。満充電までに要する時間は約5時間30分(200Vの場合)。
「RAV4 PHV」の駆動用リチウムイオンバッテリーは普通充電にのみ対応する。満充電までに要する時間は約5時間30分(200Vの場合)。拡大
「RAV4 PHV」は最大1500W(100V)の外部給電機能を全車に標準装備しているのも特徴だ。エンジンを回しながらの発電であれば、ガソリン満タン状態から約3日間電力を供給できるという。
「RAV4 PHV」は最大1500W(100V)の外部給電機能を全車に標準装備しているのも特徴だ。エンジンを回しながらの発電であれば、ガソリン満タン状態から約3日間電力を供給できるという。拡大
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