シトロエンC5エアクロスSUVシャイン(FF/8AT)
王道はふたつある 2020.06.22 試乗記 シトロエンの「C5エアクロスSUV」に1.6リッターガソリンターボ搭載モデルが追加された。先に導入された2リッターディーゼル車と比べると、最高出力は微増で最大トルクは大幅減、そして車両重量も大幅減。果たしてその仕上がりは?ディーゼルよりも22.9万円安い
C5エアクロスSUV(以下、SUVは割愛)はシトロエンにおける現在のフラッグシップである。このクルマについては、2019年夏の日本上陸したてホヤホヤの時期にも、試乗記を書かせていただいた。当時の日本仕様は1種類のみで、現在のグループPSAではもっとも上級に位置づけられる177PS版の2リッターディーゼルエンジンを積んでいた。
そんなC5エアクロスに2020年春、もう少し手ごろなガソリンモデルが追加された。搭載されるガソリンエンジンは、プジョー・シトロエン(そしてDS)のマニアが即座に想像するとおり、1.6リッター4気筒ターボである。変速機も当然のごとく、ディーゼルと基本的に同じアイシン製の8段ATが使われる。
装備グレードについても、本国で上級にあたる「シャイン」が選ばれている点まで、既存のディーゼルと同じ。唯一、さらに上級の「ナッパレザーパッケージ」だけはガソリンでは選べないのだが、それ以外の装備内容、日本で選べるカラーバリエーションも両者で共通である。ただ、黒と赤のカラーについてはガソリンでのみ受注生産あつかいになっているので、そこだけは要注意だが……。このように、まったく同じ装備のエンジンちがいで、価格はディーゼルより22.9万円安い409万円となる。
ついでに書いておくと、地元フランスでの選択肢は、いうまでもなく日本よりずっと多い。日本で入手可能な2種類のパワートレイン以外に、より手ごろな1.5リッターディーゼルや1.2リッター3気筒ガソリンターボも選べて、すべてに6段MTの用意もある。また、日本で買える2種類よりさらに上級のトップエンド機種として、プラグインハイブリッドもある。それは1.6リッターターボをベースとして、最大で約55kmの電気走行が可能だそうだ。そして、装備グレードも大きく5種類ある。