マツダ3ファストバックX Lパッケージ(FF/6AT)
Zoom-Zoomをもう一度 2020.07.07 試乗記 新世代エンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブX)」を搭載した「マツダ3ファストバック」に試乗。他に例を見ない挑戦的なスタイリングと、独自の内燃機関技術によって高い評価を得ている今日のマツダに“欠けているもの”とは?最新のマツダデザインに最新のエンジン
マツダ3を街なかで見ると、そのオンリーワンなデザインにいつもハッとする。キャラクターラインはボンネットと車体下部のトリミング(縁取り)にとどめ、光の陰影とシルエットで美しさを表現した奥ゆかしさ。いや、大胆さか。
「ユーノス・ロードスター」や「ユーノス500」、そしてFD3S型の「RX-7」。そのあたりが“原体験”であることもあって筆者はこの世代のマツダデザインにときめきを感じるのだが、現在の「魂動(こどう)」デザインはその魅力を継承しつつ、バタくささを払拭(ふっしょく)して毎日つきあえる美しさを提案している。“和テイスト”とまでは言わないが、欧州や北米のトレンドに振り回されない独自の“広島テイスト”を築き上げたと思う。
そういう意味でも、試乗車の色は今日のマツダを象徴する「ソウルレッド」がよかったなぁと思うのだが、目の前におはすは「スノーフレイクホワイトパールマイカ」のマツダ3。スカイアクティブXを搭載した上級グレード「X Lパッケージ」である。駆動方式はFF、トランスミッションは6段ATだから、ドライブトレインの仕様については、これが最も「売れ線」のはずだ。
マツダが世界に問うスカイアクティブX。ガソリンエンジンとしては世界初となる圧縮点火を、スパークプラグによる膨張火炎球の圧力で補いながら、ほぼ全域で可能とした次世代エンジンである。
その魅力を表す文句として、「ディーゼルエンジンとガソリンエンジンのいいトコ取り」というのをよく見かける。実際、そのアウトプットは最高出力180PS/6000rpm、最大トルク224N・m/3000rpmと、全く同じ排気量の「スカイアクティブG 2.0」(156PS/6000rpm、199N・m/4000rpm)に対し、より低い回転でより大きなトルクを生み出し、なおかつ高回転でのパワーも上回っている。一方、1.8リッターディーゼルターボの「スカイアクティブD 1.8」(116PS/4000rpm、270N・m/1600-2600rpm)に対しては最大トルクは譲るが、こちらは6500rpm+αまでしっかり回しきれる。
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