“泥のエキスパート”ならではの絶妙な調律

ラングラーと対照的とはいえ、そこはジープブランドのフラッグシップですから、悪路走破性はあまたのSUVとは一線を画します。単に数値的なところをみても、アプローチ、ランプブレークオーバー、デパーチャーの3アングルは、本格的なクロスカントリーモデルに迫るもの。最低地上高もコイルサスのグレードで230mm、調整可能のエアサスグレードなら最長280mmを確保しており、渡河深度も約500mmと、やはり本格的なクロスカントリーモデルに迫るものを持っています。

が、それよりも大事なのは、トラクションや制動のかけやすさ&抜きやすさといった、パワートレインとドライブトレインのコントロール性、あるいはトランスファーのレシオ設定、サスペンションの接地トラベルや先述の3アングルといったところが、いかに“悪路想定”で調律されているかということです。ここではエンジニアリングや実験部門の経験値がものを言いますが、当然ながらジープの開発陣には“泥のエキスパート”がたくさんいます。

こういう人たちが関わってできたクルマゆえ、インターフェイス類は当然ローゲインで、操作量に対してリニアに応答するキャラクターに設(しつら)えられます。悪路では視認性の高さも重要な性能ですから、車両感覚がつかみにくく側方視界をいじめるデザインは拒否されるでしょう。優れたオフローダーは優れた実用車でもある。これは僕の持論ですが、その根拠はこういうところにあります。そして、例えばジープやランドローバーのクルマは、総じてそういうところがよくできているんですね。

この日のために装着されたオールテレインタイヤに泥をまとわりつかせつつ、草地に分け入る「グランドチェロキー」。オフロードでは数値に表れるスペック以上に、ディメンションやドライブトレインの制御にみる、“悪路向けの仕立て”がものを言う。
この日のために装着されたオールテレインタイヤに泥をまとわりつかせつつ、草地に分け入る「グランドチェロキー」。オフロードでは数値に表れるスペック以上に、ディメンションやドライブトレインの制御にみる、“悪路向けの仕立て”がものを言う。拡大
最高出力290PSを発生する3.6リッターV6エンジン。オフロードのエキスパートが調律した、リニアなトルクデリバリーも特徴だ。
最高出力290PSを発生する3.6リッターV6エンジン。オフロードのエキスパートが調律した、リニアなトルクデリバリーも特徴だ。拡大
微低速域での細やかなペダルワークにもリニアに反応する、パワートレインやドライブトレインの繊細さ、車両感覚のつかみやすさ、そして視界のよさと、優れたオフロード車と優れた実用車には、共通する条件がいくつも存在する。
微低速域での細やかなペダルワークにもリニアに反応する、パワートレインやドライブトレインの繊細さ、車両感覚のつかみやすさ、そして視界のよさと、優れたオフロード車と優れた実用車には、共通する条件がいくつも存在する。拡大
ジープ グランドチェロキー の中古車
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