秀逸な電子制御もプロフェッショナルがいればこそ

そういう点でみれば、チェロキーもまた、きちんとしたオフローダーといえるでしょう。“横置きFF系プラットフォームにモノコックボディー”と、他社のSUVとまるで変わらぬ構成にクルマ好きの期待値はダダ下がり。「ジープよお前もか」とうなだれるわけですが、よくよく見ればグレードによってはローレンジ付きの4WDにリアデフロックまで備える本気の悪路仕様となっています。

実際、チェロキーの悪路走破性は同級のライバルとは比べられないほど本格的です。トルク変動が急になりがちな2リッターターボを搭載しながら、速度のコントロール性は至って穏やか。不安定な路面でもトラクションがしっかりかかります。ディメンションも優秀で、まずまずのガレ場に入ってもシャシーヒットには至りません。

走破性については、たぶんに路面状況に応じて制御の切り替えが可能な電子制御トラクションマネジメントが役立っているのでしょうが、それをキャリブレーションするのはもちろん開発陣です。車体形状や足まわりなどにも独自のノウハウが注ぎ込まれていることは容易に想像できます。

チェロキーシリーズといえば、ヘビーデューティー一本やりだったオフローダーの世界に、パッセンジャーカー的な快適性や使い勝手のよさを盛り込んで商品化した、SUVの始祖たるモデルといっても過言ではありません。今では百花繚乱(りょうらん)のカテゴリーにあって、でも悪路ファーストというスタンスを崩さない。そこにパイオニアとしての矜持(きょうじ)を感じるのは僕だけではないでしょう。ジープのブランドイメージはラングラーだけが支えてきたわけではないということです。

(文=渡辺敏史/写真=向後一宏/編集=堀田剛資)

「チェロキー」といえば、オンロードでの快適性や普段使いでの機能性も重視した、SUV(などという呼び名は当時はなかったが)の先駆け的モデルだ。
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上級グレード「トレイルホーク」には、減速比2.92:1のローレンジやリアロッキングデファレンシャルなど、悪路を走るための機能や装備が採用されている。
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電子制御による「オフロードモード」の設定は、今日では珍しいものではないが、大事なのはその中身。オフロードで本当に役立つものとするためには、悪路に精通したエンジニアが必須なのだ。
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FFプラットフォームの都会派モデルでさえ、ライバルとは一線を画すオフロード性能を有している。その矜持こそがジープの魅力なのだ。
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