日産やホンダにも強みはある

ホンダはNSXであることに変わりはないが、大規模な変更を行っている。これまでは特例でベース車と同じMRのレイアウトを採用していたが、クラス1規定への移行を機に他車と同じFRのレイアウトに変更したのだ。エンジンをモノコックの背後から前方に移したので、前後重量配分が変われば、熱交換器の配置も変わり、エンジンの性能や空力性能にも影響を与える。相当に大規模なやり直しを必要とした。

GT500クラスに参戦する3社の中で、最も変更部位が少なくて済むのが、日産(ニスモに開発を委託)である。DTMと共通の技術規則(クラス1規定の前身)を導入した2014年からずっと、ベース車両はGT-Rだ。熟成を重ねられる点で有利とする見方もできる。

ところが、話はそう単純ではない。例えばエンジンに着目すると、最も熟成が進んでいると考えられるのはホンダだ。

2014年の新規定移行により、エンジンは2リッター直4直噴ターボとし、燃料流量に上限を設けて出力を規制することになった。燃料流量規制のもとで出力を高める手段のひとつがプレチャンバーである。点火プラグのまわりを小部屋(プレチャンバー)で覆い、着火による燃焼火炎を微細な穴から噴出させて主燃焼室側の混合気を瞬時に燃焼させ、燃焼効率を高める技術だ。F1でもスタンダードな技術である。

このプレチャンバーの実戦投入が一番早かったのはホンダで、2017年から本格的に導入(筆者調べ。以下同)。トヨタは2018年から、日産は今季ようやく投入した。エンジンの開発に関しては、日産が他社に対してビハインドを負っていることが容易に想像できる。

山本尚貴/牧野任祐組のNo.100 RAYBRIG NSX-GT。開幕戦の予選では存在感のあったホンダ勢だが、決勝ではこの6位が最上位。
山本尚貴/牧野任祐組のNo.100 RAYBRIG NSX-GT。開幕戦の予選では存在感のあったホンダ勢だが、決勝ではこの6位が最上位。拡大
4台エントリーしたGT500クラスの「日産GT-R」は7位、10位、11位、そしてリタイアという結果に。今後の巻き返しが期待される。
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