ホイール内に駆動・制動・操舵・緩衝の機能を集約

REEオートモーティブのEVプラットフォームは、スマートフォンのようなバッテリーパックの四隅にタイヤが付いている“だけ”のような見た目をしている。フォルクワーゲンの「MEB」など、EVプラットフォームの多くは似たような格好をしているが、REEのそれが大きく異なっている点は、モーターをはじめとするドライブトレインやステアリング機構、サスペンション、ブレーキといったユニットが見あたらないことだ。

実はこれらは、「REE corner」と呼ばれるホイールアーチ内にすべて内包されている。タイヤを外すと現れるREE cornerは、電気モーター、ステアリング機能(バイワイヤ)、ブレーキ機能(バイワイヤ)、サスペンションが一体化されたユニットで、それぞれが完全に独立している。すべてがメンテナンスAIによって監視されていて、故障などの障害を事前に察知することが可能。OTA(オーバー・ジ・エア=携帯電話用電波などによるオンライン)で修理やアップデートを行うので走行不可になる可能性は低く、メンテナンスコストも下げられるという。

また、それぞれのREE cornerにステアリングやモーターがあるということは、4WSも4WDも自由自在。サスペンションもコンベンショナルなものから可変ダンパー、車高も可変のアクティブサスまで選択可能で、供給先となる顧客の要望に応じていかようにもなる。

このREE cornerを、現在のところ5種類用意されているサイズ違いのシャシー兼バッテリーパックと組み合わせればEVプラットフォームが完成する仕組みで、究極のモジュール戦略ともいえる。バレルCEOいわく「レゴブロックのようなもの」だそうだ。既存の自動車技術とはまったく違ったユニットおよびコンポーネントであるところがイノベーティブで、だからこそスタートアップであるREEオートモーティブがやる意味があり、すべてにおいてお手本がなかったのでチャレンジングだったという。このプラットフォームを用いることで、従来のEVより重量は33%削減され、スペースは67%広くとることが可能となり、コストは33%改善されるとしている。

REEオートモーティブのEVプラットフォームは、一見するとモーターや操舵機構などが見当たらない。
REEオートモーティブのEVプラットフォームは、一見するとモーターや操舵機構などが見当たらない。拡大
「REE corner」の図解。ホイール内に駆動・制動・操舵・緩衝に関する機構がすべて組み込まれている。
「REE corner」の図解。ホイール内に駆動・制動・操舵・緩衝に関する機構がすべて組み込まれている。拡大
あなたにおすすめの記事
新着記事