“EVプラットフォーム×自動運転”が生むビジネスチャンス

またREEオートモーティブはKYBのほかにも、多数の日本企業と深い関わりを持ち始めている。例えば2019年の東京モーターショーに出展された日野自動車のコンセプトモデル「FlatFormer(フラットフォーマー)」は彼らの協力によるもので、また三菱商事やNSK(日本精工)、MUSASHI(武蔵精密工業)とも提携している。NSKはベアリングなどの精機部品で、MUSASHIはギアやデファレンシャルなどの歯車系製品で世界有数の技術を誇るトップサプライヤーである。

REEオートモーティブのEVプラットフォームはもちろん乗用車にも活用できるのだが、一般的に乗用車メーカーはオリジナルにこだわる傾向が強いので、すぐに需要があるわけではない。それよりも商用車での実用化のほうが現実的だ。Eコマース(電子商取引)の発展によって物流ニーズが高まっているから、いわゆる“ラストワンマイル”までの配送を含むMaaS(Mobility as a Service)において活用される日は近いだろう。バレルCEOは明言を避けたが、小型の自動配送車やフラットフォーマーの市場投入が、そう遠くないことをにおわせていた。

またREE cornerを含むEVプラットフォームは自動運転にも対応。REEオートモーティブ自身が自動運転そのものの開発をするわけではないが、その機構を見るに、既存の自動車よりマッチングがいいのは間違いない。超高齢化時代に入って久しい日本では、自動運転へのニーズが高まっており、物流の分野でも改革の必要性が叫ばれている。そうした点でもREEオートモーティブのビジネスチャンスはありそうだ。

インタビューの最後、「技術大国でありながら保守的な日本と、イノベーティブなイスラエルでは文化の違いが大きく、戸惑うことはないか?」という問いに対し、バレルCEOは「両国とも長い歴史と伝統があるからか、長い目でものを考える文化が共通している」と回答。むしろ欧米よりやりやすいようなことを述べていた。リップサービスも含まれているかもしれないが、イスラエルと日本のタッグはかなり強力であるように思えてきた。

(文=石井昌道/写真=REEオートモーティブ、日野自動車/編集=堀田剛資)

日野自動車が2019年の東京モーターショーに出展したコンセプトモデル「FlatFormer(フラットフォーマー)」。
日野自動車が2019年の東京モーターショーに出展したコンセプトモデル「FlatFormer(フラットフォーマー)」。拡大
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