日産キックスX(FF)
割り切りで勝負 2020.08.14 試乗記 日産の新型車「キックス」に試乗。自慢の電動パワートレイン「e-POWER」と、これに合わせて再チューニングしたという足まわりが織りなす走りはひとこと「軽快」だ。海を越えてやってきたこの小型SUVは、日産に久しぶりの明るいニュースをもたらすかもしれない。タイからやってきたニューモデル
2020年6月からの18カ月間に12の新型車を投入するという日産の反転攻勢。その蹴りだし第1弾がキックスである。軽の「デイズ」を除くと、「リーフ」以来、実に10年ぶりになる新規投入モデルだという。
もともとこのクルマは数年前から中国、メキシコ、ブラジルで生産してきた主に新興国向けのコンパクトSUVである。今回それに大きく手を入れ、e-POWERの電動パワートレインと組み合わせた右ハンドルの新型をタイ工場でつくり始めた。日本仕様も現行「マーチ」と同じメイド・イン・タイランドである。
おさらいすると、e-POWERはガソリンで走る電気モーターカーである。エンジンを発電専用に使い、その電気で前輪を常時モーター駆動する。シリーズ(直列)式というハイブリッドの一種だ。エンジンは1.2リッター3気筒。これにリーフ用のモーターと小さなバッテリー(1.5kWh)を組み合わせたパワートレインそのものは「ノート」のe-POWERと同じである。
試乗したのは標準グレードの「X」(275万9900円)。ラインナップはシンプルで、これと「Xツートーンインテリアエディション」(286万9900円)の2グレードのみ。全車に運転支援システムの「プロパイロット」を備える。