ヤナセの目玉は“ポルシェ博士のメルセデス・ベンツ”

もちろん、専門店による展示車も見どころ満載だ。日本でも有数の専門店が参加するだけに、各ブースは名車ぞろい。しかも、ここでしか見られないような“激レア車”も散見される。

特に文化的見地からして興味深かったのは、ヤナセクラシックカーセンターが出展した1936年の「メルセデス・ベンツ170H」だった。同車の存在を知らなかった私は、「ベンツなのに、“ビートル”そっくり」と思っていたら、なんと基本設計を手がけたのは、開発当時ダイムラー・ベンツ社に在籍していたフェルデナント・ポルシェその人とのこと。ビートル以前から理想とする乗用車像を追い求めていたのかと、ポルシェの情熱の深さに思いをはせた。

一方で、クルマ好きの欲望を大いに刺激してくれたのは、手の届きそうなプライスタグのネオヒストリックカー群だ。1994年式「ジャガーXJS 4.0クーペ」は、なんと168万円。ピニンファリーナデザインの美しすぎるクーペ「プジョー406クーペ」は、2001年式でたった100万円。ポルシェジャパンが持ち込んだ2004年式「ポルシェ911カレラ4S」は、ティプトロだけど、なんと418万円! いや、印鑑持ち歩いていなくてよかった。しかし、いろんな妄想が膨らんだのは本当の話。友人や恋人、家族と会場を訪れたクルマ好きの中には、そんな夢に会話が盛り上がった人もきっといたことだろう。

開催を重ねるごとに、こうした“誘惑のクルマ”も増えているように思う。ため息しか出ないような名車の展示のかたわらで、そんな楽しみも提供してくれるあたり、出展者もまた、私たちと同じクルマ好きなのだろう。

1936年製「メルセデス・ベンツ170H」(右)と1952年製「フォルクスワーゲン・タイプI」(左)。
1936年製「メルセデス・ベンツ170H」(右)と1952年製「フォルクスワーゲン・タイプI」(左)。拡大
フェルデナント・ポルシェが設計を手がけた「メルセデス・ベンツ170H」は、「フォルクスワーゲン・タイプI」と同じくリアにエンジンを搭載していた。
フェルデナント・ポルシェが設計を手がけた「メルセデス・ベンツ170H」は、「フォルクスワーゲン・タイプI」と同じくリアにエンジンを搭載していた。拡大
ジャガーのラグジュアリークーペ「XJS」。古参の英国車好きなら、一度は憧れたことがあるだろう一台だ。
ジャガーのラグジュアリークーペ「XJS」。古参の英国車好きなら、一度は憧れたことがあるだろう一台だ。拡大
“涙目”と呼ばれた996型の「ポルシェ911カレラ4S」。
“涙目”と呼ばれた996型の「ポルシェ911カレラ4S」。拡大
あなたにおすすめの記事
新着記事