トヨタRAV4 PHV G(4WD/CVT)
これぞ令和の旦那グルマ 2020.10.06 試乗記 エコはもちろん、パワフルな走りも自慢。トヨタのミドルクラスSUV「RAV4」にプラグインハイブリッドモデルの「RAV4 PHV」が登場。システム最高出力306PSを誇る高性能バージョンは、“シゲキ”より“上質さ”を感じさせるモデルに仕上がっていた。最初に感じたのは上質感
昨年、初めてトヨタRAV4を見たとき、その「タコマ」や「タンドラ」にも通ずるアメリカン・ヘビーデューティーな若々しいデザインに「これは売れるだろうな」と直感した。そして肝心な走りの確かさを味わって、さらにその思いを強めた。
ただ乗れば乗るほど、「このシャシーを使って、もっとスペシャルな一台をつくればいいのに」という気持ちが強くなった。いたずらに「ハイパワー4WD万歳!」と叫んでいるわけではない。人間で言うところの“体幹”が鍛えられているかのような、アスリート的な身のこなし。これを使い切っていないことが、なにかもったいなく感じたのだ。
それを告げると、「もう少し待っていてください」と、開発陣のひとりは自信ありげに答えてくれた。それがこの、RAV4 PHVだったわけである。
とはいえその実物は、事前に想像していたものとは違うクルマだった。ジャーマンスリーで言うところの“AMG”や“M”“RS”という感じではない。みてくれこそエッジーだが、それは標準のRAV4も同じ。全幅も拡大されず、全高はむしろ高められているようである。
走りだしても、まず印象に残ったのは静かさだった。これからの時代においてトレンドとなってゆく、ピュアEVの乗り味である。編集部から借り出して、夜の街並みを音もなく走りだす。クランキング時のキシュッ! というさく裂音や、ブルブルン! と震える低級振動なしに、いきなりこの巨体がスーッと走りだす様は、わかっていても新鮮。そして、洗練されたもてなしを味わったような気持ちになる。
走りだしてからも、エンジンの気配は感じられない。というか、エンジンがなかなかかからない。ロードノイズを完全にシャットアウトするほど遮音は効いていないが、エンジンの存在が消された車内は癒やしにあふれている。ここでお気に入りの音楽を流せば、気持ちをさらに落ち着かせるのも、アゲるのも自在だ。
……うーん、上質。MやRSじゃなくても、いいかもしんない。
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