第630回:こだわりのパーツが走りを変える これがショーワの次世代自動車技術だ!

2020.10.13 エディターから一言
ショーワの説明会・試乗会は栃木の塩谷プルービンググラウンドで開催された。2015年秋に設立された試験用施設で、直線路や旋回路のほか、特殊路面のコースなども有している。
ショーワの説明会・試乗会は栃木の塩谷プルービンググラウンドで開催された。2015年秋に設立された試験用施設で、直線路や旋回路のほか、特殊路面のコースなども有している。拡大

自動車のサスペンションや電動パワーステアリングの開発を手がけるショーワが、同社初となるプレス向け製品説明会を開催した。そこで披露された、これからのクルマに生かされるであろう新技術とは……? 

ショーワが開発したカーボン製プロペラシャフト(写真上)と、標準的なスチール製プロペラシャフト(同下)。用途は同じだが、その見た目はずいぶん違う。
ショーワが開発したカーボン製プロペラシャフト(写真上)と、標準的なスチール製プロペラシャフト(同下)。用途は同じだが、その見た目はずいぶん違う。拡大
2ピース構造のスチール製プロペラシャフト(写真下)が8.5kgほどであるのに対し、新開発のカーボン製(同上)はワンピースで約4kg。コストは同等というから、将来的な普及にも期待がかかる。ショーワとしては、2025年の量産を視野に入れており、「あらゆるプロペラシャフトをショーワのカーボン製パーツにしたい」と意気込む。
2ピース構造のスチール製プロペラシャフト(写真下)が8.5kgほどであるのに対し、新開発のカーボン製(同上)はワンピースで約4kg。コストは同等というから、将来的な普及にも期待がかかる。ショーワとしては、2025年の量産を視野に入れており、「あらゆるプロペラシャフトをショーワのカーボン製パーツにしたい」と意気込む。拡大
ショーワのカーボン製プロペラシャフトは、カーボンの織り方がポイント。あらかじめあや織りにした繊維を重ねる一般的な炭素繊維強化樹脂とは異なり、一定方向にそろった繊維を縦や斜めに順番に重ねる工法が採用されている。
ショーワのカーボン製プロペラシャフトは、カーボンの織り方がポイント。あらかじめあや織りにした繊維を重ねる一般的な炭素繊維強化樹脂とは異なり、一定方向にそろった繊維を縦や斜めに順番に重ねる工法が採用されている。拡大

軽にこそプレミアムパーツを

自動車パーツサプライヤーのショーワが軽自動車にも適用できるカーボン製プロペラシャフトを開発した。

もしもあなたが「カーボン製プロペラシャフトは超高性能車に装着してこそ価値があるのに、なんで軽自動車なんかに?」と思われたとしても無理はない。そもそも軽自動車に高価なカーボン製プロペラシャフトなんて取り付けて、コスト的に釣り合うのだろうか?

そんなことはショーワだって先刻承知。そのうえで彼らが新たにカーボン製プロペラシャフトを開発したのにはワケがある。

車体前部に搭載したエンジンの力を後輪に伝えるためのプロペラシャフトは、通常はスチールでつくられる。カーボン製よりもコスト面で有利なのがその主な理由だが、スチールでワンピースのプロペラシャフトをつくると、自動車で使用する回転域で共振を起こし、最悪の場合はプロペラシャフト自体が壊れてしまう。

これを防ぐために、プロペラシャフトは2分割とすることで共振周波数を実用粋外に追いやっているのだが、今度はこの2分割する“つなぎ目”を固定するパーツがキャビンの真下に配置されることになり、これが不快な振動や騒音を発生する原因になる。そうでなくても、重いスチール製プロペラシャフトはエンジン回転数を素早く上昇させたり下降させたりすることを阻害する(=動力性能を低下させる要因になる)うえ、同じ理由から燃費性能を悪化させる(=CO2排出量が増える)。つまり、別に超高性能モデルでなくてもプロペラシャフトをカーボン製にする価値は十分にあるのだ。

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