ポルシェ・カイエン ターボS Eハイブリッド(4WD/8AT)【試乗記】
時代の落とし子 2020.10.24 試乗記 車両本体価格2408万円。「ポルシェ・カイエン」シリーズのトップに君臨するのが「カイエン ターボS Eハイブリッド」だ。4リッターのV8ツインターボエンジンをモーターが加勢する、強力無比なプラグインハイブリッドシステムの仕上がりやいかに!?システム最高出力は680PS
世の中の大きなクルマがこぞってプラグインハイブリッド車(PHV)と化している。世界中でCAFE(企業別平均燃費)の達成基準が年を追うごとに厳格化され、早晩各メーカーが販売する車両のほとんどが電気自動車(EV)かPHVじゃないと燃費規制あるいは基準を達成できなくなるからだ。規制の場合は達成できなければ、達成したメーカーからクレジット(CO2排出権)を購入して帳尻を合わせなければならない。
実際、すでに多くのメーカーがEV専業のテスラからクレジットを購入している。テスラがここのところ黒字を続けているのは、クルマが売れているからというよりも、内燃機関を抱える伝統的メーカーがクレジットを購入してくれるからだ。一番のお客はFCAだという。「グラチェロ」が売れる度にテスラがもうかっているのだ。
閑話休題。ポルシェ・カイエン ターボS Eハイブリッドに試乗した。冒頭で述べた理由によってカイエンのトップグレードもPHVだ。4リッターV8ツインターボエンジン(最高出力550PS)と8段ATとの間に電気モーター(同136PS)が組み合わせられ、システム最高出力は680PS、最大トルクは900N・mにも達する。0-100km/h加速は3.8秒、最高速が295km/hと、2580kgもの車両重量をものともせず、文句なしの高性能だ。