トヨタ・ハリアー ハイブリッドZ“レザーパッケージ”(FF/CVT)
刺激よりも安心感 2020.10.27 試乗記 発売1カ月後の受注台数が、月販目標の3100台を大きく上回る4万5000台に達したというトヨタの新型SUV「ハリアー」。その人気の秘密を探るべく、最上級グレード「ハイブリッドZ“レザーパッケージ”」を郊外に連れ出した。クリーンで洗練されている
遠目に見るとブラックアウトされた6ライト風のサイドウィンドウグラフィックがクールで流麗だ。クーペのように寝かされたCピラーに向かってシュッと後端がとがったクオーターウィンドウの処理はまるでレクサスのようだ。
もっとも、近づいてよく見ると、ウィンドウフレームはレクサスほどにはフラッシュサーフェス化されてはいない。その代わりというわけではないだろうが、リアフェンダーとコンビネーションライトまわりは大胆に抑揚がついた立体的な造形だ。これはずいぶんと手間暇が、ということはコストがかかっているようだ。
インテリアも同様、クリーンですっきり洗練された仕立てである。メーターパネル中央の情報表示を除けば、ちまちまとした煩雑さは感じない。トヨタ車にしては珍しく、できるだけスイッチ類の数を抑えて整理整頓が行き届いた雰囲気だ。
ただしその分、せっかくのブラウンのレザートリムなのに、華やかというほどではなく、ちょっと地味というかビジネスライクな雰囲気もある。よくよく見れば意外に安っぽい素材を使っているなという部分もあるのだが、全体としては“いいもの感”を漂わせながら、レクサスよりは一歩引いて順列を守るというか、コスト管理が徹底しているというか、こういうところはさすがの手腕を見せる。
と眺めまわしていたら、ドアの内張りに歴代ハリアーのトレードマークだったタカの仲間になる“チュウヒ”のエンブレムが型押しされているのを見つけた。いささか取って付けた感があるが、ハリアーを乗り継ぐお客さまを忘れてはいないとの主張だろうか。
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