ボルボV60 T8ポールスターエンジニアード(4WD/8AT)
意志あるところに道は開ける 2020.11.09 試乗記 「ボルボV60」の高性能バージョン「T8ポールスターエンジニアード」に試乗。全車の電動化戦略を着々と進めるボルボ。その旗振り役を務めるように電気の力でハイパフォーマンスを手にしたコンプリートモデルの仕上がりは?前回は即日完売
2019年末に30台限定で発売された「ボルボS60 T8ポールスターエンジニアード」は、その日のうちに完売してしまった。919万円という価格は障害にはならなかったようだ。“特別なボルボ”を手に入れたいと思っていたユーザーは、想定以上に多かったのである。プレミアムブランドとしてのボルボが広く浸透した証しだろう。ようやく再発売が決まり、しかも今回はS60だけでなくV60と「XC60」もラインナップされている。それぞれ15台、20台、30台の計65台で前回の2倍以上だが、十分な数ではないだろう。
試乗したのはステーションワゴンのV60 T8ポールスターエンジニアード。ボディーの形が違うだけで、仕様はS60と同じだ。V60は2018年に2代目となった新世代モデルで、ガソリンエンジン車に加えて「Twin Engine(ツインエンジン)」と呼ばれる2種類のプラグインハイブリッド車を用意していた。現在では「Recharge Plug-in hybrid(リチャージプラグインハイブリッド)」という名称になっていて、このほうが電動化戦略を進めるボルボの姿勢をわかりやすく表現している。
T8ポールスターエンジニアードは、プラグインハイブリッドのハイパフォーマンスモデルである。電動化とチューニングという2つの役割を担うのがポールスターだ。どちらも得意分野である。これまでの歴史を振り返るとわかるのは、ポールスターがその両方の分野でボルボを支えてきたことだ。もとをたどれば、ボルボのオフィシャルパートナーとしてツーリングカーレースなどで活躍してきたレーシングコンストラクターである。
その後、レースだけでなく、ボルボの高性能モデルの開発を担うようになる。日本では2012年にエンジンのパフォーマンスを向上させるプログラム「ポールスターパフォーマンスパッケージ」が発売された。当時はポールスターの手がけたモデルの試乗車は「レベルブルー」と名付けられた鮮やかなブルーのエクステリアカラーが与えられていて、派手な見た目とスポーティーな走りに感心した記憶がある。
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